令和3年度、奈良先端科学技術大学院大学に入学されました皆様、誠におめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます。
皆様がこれから学びの場とされる奈良先端科学技術大学院大学は、創造的かつ国際的な学術研究の新たな展開の拠点づくりを目指す「関西文化学術研究都市」に立地し、関西文化学術研究都市において世界に広く認知された教育拠点として、最先端の教育研究及び新産業創出の中核的な役割を担ってこられました。
今年度は、塩﨑一裕新学長のもと、10月には創立30周年を迎えられます。今後、IoTやAIが人々の生活に浸透し、今までにない新たな価値が生み出される社会を迎え、貴学で学ばれる皆様が担う役割は、ますます重要になっていくものと期待しております。
私たちは今、新型コロナウイルスとの戦いの真っただ中にいますが、入学されました皆様の中には、これからの教育環境、研究活動に不安を抱かれている方も少なくないかと思います。
しかし、今回の新型コロナウイルス感染症からも、社会や経済のあり方、また貴学でこれから学ばれる皆様にとって、科学技術のあり方について考える機会にもなるかと思います。
この1月には、貴学が世界に誇る卓越したグリーン科学技術研究を基盤とし、人類が直面する地球規模の深刻な環境問題と食糧問題を解決し、豊かで持続可能な社会を構築するための拠点として、「デジタルグリーンイノベーションセンター」を設置されました。
貴学においては、このような世界規模の様々な問題の解決に向けて、様々な分野の最新科学技術を理解し、個々の専門性だけではなく、広い視野や柔軟な発想、統合性、創造性を持つ人材を育成されるとともに、将来の科学技術の発展を支え、貢献される人材が育成されることを期待しています。
本日、入学されました皆様につきましても、この使命に応えるため、素晴らしい環境のもと、持てる力を存分に発揮し、切磋琢磨しながら研究活動に精励いただきたいと思います。
結びに、本日の佳き門出を心よりお祝い申し上げますとともに、ご列席の皆様方のますますのご健勝とご活躍を祈念申し上げ、お祝いの言葉といたします。
令和3年4月5日
奈良県知事 荒井正吾