NARA INSTITUTE of SCIENCE and TECHNOLOGY

研究科長あいさつ

ごあいさつ

奈良先端科学技術大学院大学は、学部を持たない国立の大学院大学として、先端科学技術分野における世界水準の研究を推進するとともに、その成果を基盤とした高度な教育を通じて、未来社会を担う優れた人材を育成することを使命として1991年10月に設置されました。開学以来30年以上にわたり、情報科学、バイオサイエンス、物質創成科学の三つの研究分野を柱として、それぞれの専門性を深化させると同時に分野横断的な融合研究を積極的に展開し、新たな学問領域を切り拓いてまいりました。その成果として、国際社会で活躍する研究者や、社会・産業を支える高度専門人材を数多く輩出しています。

2018年には、これまで三分野で培ってきた教育研究の蓄積を基盤として研究科を統合し、「先端科学技術研究科」を設置しました。本研究科では現在、三つの研究分野を基軸とする教育プログラムに加え、分野融合型のデータサイエンスプログラムおよびデジタルグリーンイノベーションプログラムを展開し、学生一人ひとりが自らの関心と将来像に基づいて主体的に学びを設計できる教育体制を整えています。

本学の大きな特色の一つは、高い留学生比率に象徴される国際性と、多様な文化的背景を持つ学生・研究者が集う豊かな研究教育環境にあります。多様性の中で生まれる知的交流と協働は、新たな科学技術の創出を支える重要な原動力となっています。

さらに、少子高齢化、気候変動、エネルギー問題など、現代社会が直面する複雑かつ多面的な課題に対応するため、2024年4月にデジタルグリーンイノベーションセンターを研究科附属組織として配置するとともに附属メディルクスセンターを設置し、分野横断的な研究と人材育成を一層推進しています。また、2025年度からは高度情報専門人材育成コースを新たに設置し、AIやデータサイエンスなどの高度な情報技術を基盤として、情報科学のみならずバイオサイエンスおよび物質創成科学の各分野へと展開することで、先端科学技術の融合領域を担う高度専門人材の育成を強化しています。

先端科学技術研究科は今後も、分野の枠を越えた知の融合を通じて新たな科学技術の創出に挑戦し、社会の持続的発展に貢献する人材の育成に取り組んでまいります。皆様の一層のご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

2026年4月1日
先端科学技術研究科長  笠原 正治