村井眞二特任教授が「文化功労者」に選ばれました

受賞 2017/10/24

 本学特任教授の村井眞二先生が、平成29年度文化功労者に選ばれました。

 文化功労者は、文化の向上発達に関し、特に功績が顕著な者を顕彰するもので、今年度は15人が選出されました。

 村井先生は構造が単純で安定なため従来不可能視されていた芳香族分子の炭素-水素結合を活性化させ、炭素-炭素結合へ一段階で導く革新的な有機化学合成手法とその学理を開拓されました。炭素-水素結合はほとんどの分子化合物に含まれることから、石炭や石油など天然由来の化学原料から多様な液晶や有機EL等の電子素材や薬剤などの有用な有機化合物を効率よく作り出す十万種類以上の化学反応プロセスが可能になり、その産業利用が進められています。これらの有機化学分野における多大な貢献は国内外から高く評価されています。

【略歴】

1938年生まれ。大阪大学工学部応用化学科卒業。
大阪大学工学部助手、ウィスコンシン州立大学博士研究員、大阪大学工学部教授、大阪大学工学部長・工学研究科長、科学技術振興機構JSTイノベーションプラザ大阪館長、奈良先端科学技術大学院大学理事・副学長を経て、現在奈良先端科学技術大学院大学特任教授。大阪大学名誉教授。奈良先端科学技術大学院大学名誉教授。工学博士。

【村井眞二特任教授のコメント】

 この度、平成29年度の文化功労者に選ばれたとの知らせを受け、戸惑うとともに大変ありがたく思っています。

 思い返せば、有機化学の分野の中で少しでも新しい展開を求めるべく、長い間、仲間とともに新現象、新概念、新反応をめざすことを旗印に努力を重ねてきました。

 私たちがやってきたことは、未踏領域の大きさにくらべれば微々たるものですが、それでもいささかの貢献をすることができたのではないかと思っています。

 今後とも、サイエンスのみならず、サイエンスを育てる環境についても、何かのお役に立つことができればと願っています。

 改めて、大阪大学の仲間、奈良先端大の仲間、また科学コミュニティーの仲間に恵まれてきた幸運に感謝したいと思います。

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