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薄い殻(シェル)のように力を支える細胞構造を明らかに ~細胞の硬さと内部圧力の同時評価に成功~

薄い殻(シェル)のように力を支える細胞構造を明らかに ~細胞の硬さと内部圧力の同時評価に成功~

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 奈良先端科学技術大学院大学(学長:塩﨑一裕)先端科学技術研究科の細川陽一郎教授、釣優香助教らの研究グループは、細胞壁を持たない動物細胞の中にも、薄い殻(シェル)のように力を支える細胞が存在することを明らかにしました。さらに、この性質を利用することで、細胞の硬さと細胞内部から働く圧力(内部圧力)を同時に評価することに成功しました。

 細胞壁を持たない動物細胞は、何によってその形を保ち、力に耐えているのでしょうか。植物細胞では、細胞壁が内側から働く圧力を支えることで、その形が維持されています。私たちの体をつくる動物細胞も、形を保ちながら移動し、分裂し、周囲から受ける力に応答しています。しかし、動物細胞には植物細胞のような細胞壁がありません。そのため、どのような構造がその力学的な性質を支えているのかはよく分かっていませんでした。

 細胞の硬さや内部の張力といった機械的特性は、細胞の移動や分裂、分化など多くの生命現象に関わっています。しかし、細胞は細胞膜や細胞骨格、細胞内部構造からなる複雑で不均一な構造を持つため、従来の方法では均一な柔らかい物体として扱わざるを得ませんでした。

 研究グループは、この問題に対し、植物細胞の解析に用いられてきた弾性シェル理論(Elastic Shell Theory:EST)に着目しました。植物細胞では、シェルとして働く細胞壁の硬さと細胞内圧力を同時に評価できます。そこで研究グループは、動物細胞でもシェル理論が成立するのかを調べるため、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)を用いて、細胞の形状(ふくらみ)と力学応答(しなり)を同時に計測しました。

 本研究成果は、Cell Press社刊行の学術誌 Biophysical Journalに2026年6月8日(月)に公開されました(DOI:10.1016/j.bpj.2026.06.009)。

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