ブックタイトルSENTAN May 2016 vol.25
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SENTAN May 2016 vol.25
分子複合系科学研究室http://mswebs.naist.jp/courses/2214/小さなタンパク質が集まり、大きな構造体ができることがわかってきました。自己組織化を光の波長や強さで制御することでいろいろな構造ができるので、材料という面でも非常に興味深い現象です」と説明する。もともと機械が好きで、メカニカルな部品のイメージがあるタンパク質の分野を選んだ。「赴任当初は光受容タンパク質が相互作用する相手を見つけるという雲をつかむようなテーマでしたが、地道に取り組んで結果が出ました。諦めないという信条は大切にしたい」という。「本学は修士課程から入るので研究時間の制約はあるが、逆にスタートラインが同じなので意欲がみなぎっています」と評価する。スキューバダイビングが趣味で研究生活を離れて浮遊感を楽しむ。◎夢はクモの糸を上回る線維若い研究者の夢も育っている。本学の博士前期課程を修了した技術補佐員の新川舞さんは、クモの糸を工場のラインで製造するための基礎研究がテーマ。新川舞さん「天然の強度を上回るような繊維の製造をめざしています」と意気込む。「本学は、実験装置などが1人1台使えるほど設備が充実し、非常に恵まれた環境です」と満足していて、始めたばかりのボーリングも気に入っている。細胞内の分子の小胞輸送に関わるアダプタータンパク質(GGA)と関連タンパク質からなる分子集団で生じる集合離散現象の解析に取り組んできた篠原美帆さんは博士前期課程を修了し、4月に就職した。「G G Aそれ自体安定な構造像を示さない篠原美帆さん上、さまざまなタンパク質と相互作用します。ただ、その相互作用は弱く安定な複合体ができないため、結晶化が原理的にできません。研究室で開発してきたマイクロ流体チップとX線小角散乱測定法で初めて観察することに成功しました」と振り返る。「もともと、化学を専門にしてきたのですが、今ではタンパク質を対象とした研究で成果を上げることができました。研究室でもマイクロ流体チップの開発をしていたり、他の研究室でも身近に機械系など全く分野の研究がなされていて、いろんな人との交流を通じて視野が広がりました」女性アイドルグループ「ハロー!プロジェクト」の大ファンという一面もある。バイオサイエンス研究科の稲垣教授らとの共同研究として神経細胞の軸索の伸長に関わるタ中田翔貴さんンパク質分子集団の挙動を調べている中田翔貴さん(博士前期課程1年生)は「X線溶液散乱で測定し、軸索を伸ばす駆動力を細胞に伝えるShootin1が他のタンパク質とどのように関わっているのかが少しずつわかってきました。今後、軸索の伸長に関わるタンパク質集団がどのようにして生理機能を発現しているのか分子の集合離散を解析することで明らかにしていきたい」と張り切る。大学の研究者を希望していて、オフのときは、研究以外のプログラミングやゲームに励む。タンパク質を素材とした材料開発タンパク質の自己組織可能を活用し、クモの糸に代表される構造タンパク質を人工的に再構成する。従来不可能とされたタンパク質の大量生産はすでに実現されており、天然を超える新規蛋白質分子複合材料の開発が始まっている。12