ブックタイトルSENTAN May 2016 vol.25

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SENTAN May 2016 vol.25

国際共同研究室を新たに2か所設置し、国際ネットワークを強化米.UCデービス校に本学のサテライト研究室本学に仏.エコールポリテクニックとの国際共同研究室を設置国際的な存在感を高めるための戦略的国際共同研究ネットワーク形成プログラムを進めている奈良先端科学技術大学院大学は、国際拠点となる「国際共同研究室」を新たに国内外2か所に設けることになった。バイオエネルギーの研究で著名な米カリフォルニア大学デービス校に本学の研究室を設け教員を派遣する一方で、高効率の薄膜太陽電池の開発などで知られる仏エコールポリテクニックの研究陣を本学に招へいする。本学は平成26年度に米仏の2大学との国際共同研究室を設けており、計4カ所の研究拠点で世界水準の研究、交流を展開する。【カリフォルニア大学デービス校(UCDAVIS)との共同研究】国際共同研究室(NAIST - UCDAVIS International CollaborativeLaboratory for Medical & Bio Informatics)はUCデービス内に設け、本学から専任で常駐する助教を派遣し同校の教授らとともに研究に当る。テーマは、クラミドモーナスなど微細藻類によるオイル生産をはじめとした「藻類バイオマス」の有効活用。地球温暖化防止の意識の高まりのなかで、化石資源に代わり、二酸化炭素(CO2)の排出削減に貢献する再生可能エネルギー源として期待されている。そこで藻類がオイルを生み出す仕組みである細胞内の詳細な代謝経路を突き止め、それに関わる遺伝子の働きを制御する機構を解明し、生産性の向上を進めるとともに健康生活への応用もはかる。UCデービスゲノムセンターは、ゲノム(遺伝情報)や、細胞内で作られる転写産物(RNA)やタンパク質、さらにはメタボロミクスならびにイメージングなどの研究を推進しており、共同研究により活発な交流を促し、さらなる発展を目指す。UCデービスは1905年に設置された名門校で世界屈指の生物関連研究施設を誇る。本学とは2003年に学術交流協定を結び、多くの研究者や学生を派遣、受入れるなどの実績がある。【エコールポリテクニック(EP)との共同研究】本学内に国際共同研究室(NAIST - Ecole Polytechnique InternationalCollaborative Laboratory for High-efficiency Perovskite Solar Cell」を設置。EPから教授や研究員を招へいし、本学は新規に雇用した専任の特任助教が研究を推進する。再生可能なクリーンエネルギーの主役である太陽電池について、次世代の有力候補とされる「ペロブスカイト型太陽電池」の高性能化を実現する。このタイプは、真空が不要な印刷工程で材料溶液を塗布できるため、大がかりな装置を使わないうえ、シリコンの太陽電池に匹敵する高いエネルギー変換効率の実用化が望める。太陽電池の高度な研究実績を持つEPと印刷技術を含む半導体プロセス技術の得意な本学とが、お互いの強みを活かした共同研究によって、さらなる高効率化を実現する。EPはフランスの理工系エリート養成のための高等職業教育機関。ナポレオンが1794年のフランス革命後に技術将校の不足を補おうと設立した軍学校で、フランスでは最古、最高のエリート校。多くのノーベル賞受賞者を輩出している。本学とは、これまで研究者や学生の交流が盛んに行われてきており、国際会議での共同発表なども行っている。3