ブックタイトルSENTAN May 2016 vol.25

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概要

SENTAN May 2016 vol.25

新たに拡大される日仏2か所の国際共同研究室について、2016年3月2日、本学で記者会見が行われ、小笠原直毅学長、カリフォルニア大学デービス校のケネス・バーティス教授、エコールポリテクニックのペレ・ロカ・イ・カバロカス教授らが出席。共同研究の内容や期待される成果、研究交流による国際ネットワーク強化などグルーバルな発展への期待を語った。国際共同研究室は、これまで平成25年に本学初のサテライト研究室を情報材料科学の研究で知られるフランスのポールサバチエ大学に置き、本学にはコンピュータサイエンスの研究で知られる米カーネギーメロン大学の研究陣を招へいしており、今回は、米国に初の海外拠点を設けることになる。小笠原学長は「世界に研究力を可視化し、国際的な地位を向上させるのは重要な取り組み。海外の有力大学との連携は、ネットワークの強化に大きく貢献するでしょう」とあいさつ。横矢直和理事・副学長は「研究力強化に向けた研究システムの改革の中で、海外の研究機関と本学が互いに研究拠点を整備し、新たな研究に挑み、研究力を高め合っていきたい」と話した。URA(リサーチアドミニストレーター)の三宅雅人特任准教授によると、カリフォルニア大学デービス校に設けられる本学のサテライト研究室は、キャンパスの中心位置にある中央図書館の建物内に設置し、具体的な研究はゲノムセンターにて、藻類のオイル生産などコンピュータを駆使したデータ・サイエンスの研究を行う。また、本学に設けるエコールポリテクニックの研究室は、学際融合領域研究棟1号館3階にて、新たに雇用した特任助教と本学の研究者が共同で「ペロブスカイト型太陽電池」を研究し、成果を発表していく。具体的な研究内容については、本学情報科学研究科の金谷重彦教授が「藻類バイオマスのビッグ・データ・サイエンスについて説明した。持続可能なエコロジー、ヘルスケアの構築をテーマに、「日米の科学者により、バイオエネルギーや環境に関わる植物、藻など微生物の代謝プロセスを網羅的に調べて生産性の向上を目指すとともに、それらのデータからバイオイメージングという手法を使って健康の問題などを推測していきたい」と述べた。バーティス教授は「日米の研究者が率直に意見を出し合い、よい関係を築くことにより、新しい研究成果が生み出せるでしょう」と共同研究室への期待感を示した。一方、本学で行われる「高効率ぺロブスカイト型太陽電池」の開発研究については、本学物質創成科学研究科の浦岡行治教授が説明。「このタイプの太陽電池は、エネルギー変換が高効率に行え、皮膚や衣服など柔軟なものに低コストで印刷できる。本学の半導体技術と融合させ、これまでにないタイプの太陽電池をつくっていきたい」と抱負を述べた。カバロカス教授は「フランスで行ってきた研究が、日本の半導体研究者との交流で深まり、よい研究成果が発表できるでしょう」と話し、さらなる研究の発展を期待した。【URA(リサーチアドミニストレーター)三宅雅人特任准教授】本学の使命は、世界をリードする研究活動です。これまで、研究力の更なる向上のため様々な施策を実施して来ました。さらに、平成25年度には文部科学省「研究大学強化促進事業」の採択を得ています。この取り組みは、大学における研究体制・環境の改善、研究マネージメント改革などによる国際競争力の向上が重点課題となっており、その為のマネージメント人材群の確保や研究環境改革などの、研究力強化の取り組みを支援する事業です。これは、多くの大学が抱える研究体制・環境の改善やURAの活用による、国際競争力の向上の推進を図るものとなります。本学におけるURAによる戦略的国際共同研究ネットワーク形成プログラムでは、2015年度アメリカのカーネギーメロン大学、フランスのポールサバチエ大学国立科学研究センターCEMES(材料精緻化・構造研究センター)の2大学との共同研究室での取り組みが既に進行中です。今回新たに2大学との連携が加わったことで、更なる国際的な頭脳循環が促進され、知の国際ネットワーク形成が強化されることを期待しています。4