ブックタイトルSENTAN せんたん JAN 2019 vol.27

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概要

SENTAN せんたん JAN 2019 vol.27

巻頭特集奈良先端大東京フォーラム2 0 1 8パネルディスカッション「人生100年時代のサイエンス」朝日新聞科学コーディネーター高橋真理子氏日立製作所理事サステナビリティ推進本部本部長荒木由季子氏高橋氏100歳になっても元気で生活できるために、どのように科学技術は進んでいけばよいのでしょうか。太田氏基本的には、いろいろな科学技術の発達に伴う支援の向上で、社会生活に再び加わることなどが徐々に可能になるでしょう。例えば、私が研究している人工的に視覚を再建する技術では、体全体が衰えていく中で、どこまで代替できるかが、ポイントになります。荒木氏企業でヘルスケアや地球環境の持続可能性の問題に取り組んでいます。これからは、元気で長生きしたいと思う一方で、社会環境の変化や技術の加速度的な進捗に適応する必要に迫られる。そのために生活の質や社会制度、心の問題を含め考えていかなければならないと思います。出村氏私の専門の植物科学の立場から言うと、長期間生きる木は、1年で枯れる草と比べて「急がない」という概念で長寿を研究していくと、動物と植物は単純比較できないとはいえ、興味深い結果が得られるかもしれません。杉山氏私がセンター長を務める理化学研究所革新知能統合研究センターでは、人工知能(AI)を用いて認知症の進行を遅らせる会話ロボットなどの研究を行っています。AIの技術は再生医療のiPS細胞の作製やがんの診断補助などに応用されており、長寿社会に役立つ科学技術になっていくでしょう。上司氏仏教の立場から言うと、人は幸せで100年生きたいと思っています。ただ元気でさえあればいいという社会では、いろいろな欲に対して、それが満たされないと苦になります。そういう意味では、幸せだなと互いに感じられる社会をつくっていくことが、非常に大事でしょう。高橋氏科学技術自体が大きく変化するなかで、高齢者の働く場も増えていきますか。杉山氏AIが普及していますが、創造的な仕事や、介護など人間と接する仕事は当面、AIに置き換わらないでしょう。これから必要になる新たな仕事も増えてきますので、高齢者を含め悲観的にならず、柔軟に対応していくことが重要です。荒木氏今テーマになっているのが「future of work」。新しい技術を使って楽しく仕事ができる職場を作ろうというものです。当社では名札型ウェアラブルセンサーとAIを使って従業員の幸福度を計測し、生産性の高い働き方を提案するサービスを提供しています。出村氏自動車に搭載される安全運転のサポート技術など生活に役立つ技術の進展は間違いない。仕事の面でもそのようなサポート技術の開発によって、高齢者らの働く場も広がっていくと思います。太田氏私の研究室は、企業出身0 3 S E NTAN