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概要

せんたん JAN 2020 VOL.28

受賞◆受賞の対象となった研究業績“Conversational Response Re-ranking Based on Event Causality and RoleFactored Tensor Event Embedding”情報科学領域知能コミュニケーション研究室田中翔平さん(博士前期課程2年)らが、国際ワークショップConvAI 2019においてBestPaper Awardを受賞!ConvAI(NLP for Conversational AI)は、自然言語処理のトップカンファレンスであるACLと併催される雑談対話研究の国際ワークショップです。初回ワークショップConvAI 2019(the 1st Workshop on NLPfor Conversational AI)は、ACL2019会期中の8月1日に、イタリア・フィレンツェにて開催されました。今回は、68本の論文が投稿され、内25本が採択されました。田中さんらの論文は採択された論文の中から2本が選ばれるBest Paper Awardを受賞しました。◆受賞研究の概要本研究では、対話履歴に対し一貫した多様な応答を選択する手法を提案します。提案手法は対話履歴に対する一貫性を保つため、対話モデルより生成された応答候補を、対話履歴と応答候補の間に存在する因果関係(ストレスが溜まる→発散する、など)を用いてリランキングします。この際、因果関係の認定には統計的に獲得された因果関係ペアを用いますが、対話中に存在する全ての因果関係を被覆するような辞書を用意することは難しいです。そこで、Role Factored Tensor Modelを用いて事態を分散表現に変換することで、因果関係知識のカバレージを向上させ、因果関係知識と対話中の因果関係の頑強なマッチングを実現しました。自動評価、人手評価の結果、提案手法は応答の一貫性や対話継続性を向上させることが確認できました。◆受賞についてのコメントこのような賞を頂き、大変嬉しく思います。これもひとえに指導していただいた先生方のおかげかと存じます。本研究はまだまだ改善の余地があるので、この勢いを失わないよう、引き続き精進して参ります。◆受賞の対象となった研究業績“Luminescent and scintillation properties of Ce 3 +:Tb3Al5O12 crystal grownfrom Al-rich composition”物質創成科学領域センシングデバイス研究室中内大介特任助教が第41回2019年度応用物理学会論文奨励賞を受賞!センシングデバイス研究室の中内大介特任助教(当時は同研究室博士後期課程3年)が第41回(2019年度)応用物理学会論文奨励賞を受賞しました。同賞は2017年および2018年発行の和文機関誌「応用物理」または英文論文誌「Japanese Journal of Applied Physics」「Applied Physics Express」に掲載された論文の著作者を対象として、応用物理学の進歩向上に貢献すると期待される優れた若手研究者5名に対して授与されるものです。◆受賞研究の概要シンチレータは放射線照射により即時発光する蛍光体であり、X線CTなどの医療診断装置やセキュリティをはじめとする様々な放射線計測用途で利用されています。一方で、可視域の発光遷移を有する希土類ホストのガーネットは、濃度消光による発光効率低下の懸念からほぼ検討がなされていませんでした。今回開発したCe添加Tb3Al5O12はTb?Ce間のエネルギー移動に基づいて開発したもので、効率的なエネルギー移動により酸化物で世界最大の発光量を示すシンチレータであることを見出しました。当該論文はエネルギー移動を効果的に作用させるという挑戦的なコンセプトを実現させたため、今後のシンチレータ材料設計に大きな波及効果を及ぼすと考えられます。◆受賞についてのコメントこのような栄誉ある賞を頂き大変光栄に存じます。申請にあたってご推薦くださった柳田先生ならびに共著者の皆様に深く御礼申し上げます。今後も本受賞を励みとして、より一層研究に邁進していく所存です。15 S E NTAN