ブックタイトルSENTAN SEP2019 vol.28
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SENTAN SEP2019 vol.28
養うことが社会の発展に不可欠との共通認識の現れ」という見方が強い。県教委は「県立高校適正化実施計画」の中で2020年に奈良北高校に情報に関する学科か、コースを設置するプロジェクトを進めており、大学との結びつきを深める協定により実践を踏まえた教育が拡充することになる。本学は、「今回の取り組みは、情報科学の分野だけなく、本学のバイオサイエンス、物質創成科学の領域を含めた情報科学の応用での先端的な教育研究活動の成果を基盤にしており、社会の発展や文化の創造に向けた学外との密接な連携協進という本学の理念に一致します」(松本健一・情報科学領域長)と位置づける。研究室に滞在して目の当たりに学ぶ「ラボステイ」や、自ら問題を発見して解決する「PBL(問題解決型学習)」など先端的な教育研究活動に直接触れることで、本学に対する理解を深め、大学院進学への強い動機付けになることを期待している。科学の現場を体験「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」は、文部科学省が、先進的な理数教育を重点的に行う高校を指定し、大学との連携など理系教育の改善に関する研究開発を行う事業で、本学は、この制度が始まった平成14年度から受け入れている。令和元年度は、8月1日~30日にかけて行われ、県内の指定校である西大和学園高等学校、奈良県立青翔高等学校の生徒が参加。高校生にとって興味があると思われる17のテーマが設けられ、1テーマあたり約3日間の研究室滞在で、大学の最先端の研究成果に触れ、教員や大学院生から、その基本的な理論の説明を受けた。ここで学習した成果は11月に開かれる研究発表会で披露され、さらにフェスティバルを開催して広く科学技術に関心がある高校生にも伝えられる。大学は「理系離れが進む中、最先端の研究の現場で試行錯誤しながら成果を得るなど研究活動の苦楽を実感することで、科学研究に親しみを抱き、研究者への道を歩んでほしい」としている。授業と実験で科学に親しむ本学の教員が最先端の科学の面白さを生駒市内の中学生に教える特別授業・出前授業は生駒市教委との連携で平成20年度から始まった。最初は1校だったが、好評で、回を重ねるごとに参加校が増え、現在では市内全8校に広がっている。本学で行う特別授業については、30年度は11月の2日間、3校の中学1年生約200人を対象に、物質創成科学領域の細川陽一郎教授が「みんなの知らない分子と光の世界」のテーマで講義。簡易分光器を覗くなどして、実際に起きる現象を確かめた。また、他の5校については、教員らが学校に出向く出前授業を行い、細胞の仕組み、遺伝子DNA、簡易カメラの作製などをテーマに実験を交えて学んだ。終了後のアンケートでは「再度参加したい」「理科は嫌いだったが、好きになった」と評価する生徒の声が多かった。S E NTAN02