ブックタイトルSENTAN せんたん JAN VOL.29
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SENTAN せんたん JAN VOL.29
NAIST OB・OGに聞く私は現在、日本電産株式会社生産技術研究所の研究員として働いています。生産技術研究所は日本電産グループにおけるものづくり基盤の強化と、大学、研究機関、企業とのネットワークによる世界に貢献する技術の創造を推進しています。具体的には、画像処理、音解析、AI技術、機構、メカトロ、加工、成形、材料、評価、組立、生産工程など幅広い範囲の生産技術の先進研究開発を推進しています。私は材料グループに所属しており、最近では、金属材料を樹脂に置き換えるプロジェクトに携わりました。現在は、プラスチックの機能コーティングに取り組んでいます。私が初めてNAISTを訪れたのは2010年、まだ学部学生であった頃のインターンシップでした。当時、言葉の壁のため、日本で大学院に進学することを躊躇していました。しかし、インターンシップでは、先生方の研究環境、研究を行うための様々な設備、多様な学生の姿に感銘を受けました。フィリピンで修士号を取得した後、2013年には量子物性科学研究室の柳久雄教授のもとに博士課程の学生として入学しました。私の研究テーマは、共役系ポリマー(高分子)と電気化学的に成長したアレイ電解析出によるナノ構造薄膜を用いて作製した有機-無機ハイブリッド太陽電池に関するものでした。この間、私はナノ材料と低温プロセスに関する知識と技術を身につけ、今日の仕事に役立てています。また、ドイツの大学の研究グループと共同研究する機会にも恵まれました。私は彼らの研究室を訪問し、彼らのグループの何人かのメンバーが私たちの研究室を訪問しました。彼らから教えてもらったいくつかの加工技術は、私の研究に役立つものとなりました。様々な学術的・文化的交流は、私がより国際的な視野を持った科学者になるための助けになったと思います。NAISTが学生のコミュニケーション能力の向上を重視していることに感謝しています。プレゼンテーションの授業、研究室でのミーティング、中間審査会、学会発表など、すべての体験が私のコミュニケーション能力を高めました。その後、会社で働いていたときに、社内外の人にプレゼンテーションする必要が出るたびに、コミュニケーションの重要性を実感しました。NAISTは私の視野を広げ、科学者としてのスキルを磨くことで、日本でのキャリアを飛躍的にスタートさせました。初めてNAISTを訪れてからすでに10年が経ちました。振り返ってみると、NAISTのモットーである“Outgrow your limits”のように、自分が大きく成長したことを実感しています。知識豊富な教授陣が学生を指導するとともに、NAISTのユニークな環境は多くの機会を提供し、グローバルサイエンティストとして成長することができます。ですから、在学生の皆さんには、メンター(指導者)との良好な関係を築き、知識を深め、視野を広げるための多くの機会を意識的に利用することをお勧めします。研究所にて(左写真)休日に娘と高山竹林園にて(右写真)コロナ禍では家族と屋外で楽しんでいます「知識豊富な教授陣の指導とともに、コミュニケーションを重視した環境は多くの機会を提供し、国際的な科学者として成長することができます」Jennifer T. Damasco Tyダマスコティジェニファートレス日本電産株式会社生産技術研究所研究第一部Profile: 2015年度博士後期課程修了(物質創成科学研究科量子物性科学研究室)19 S E NTAN