ブックタイトルSENTAN せんたん JAN 2022 vol.30

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概要

SENTAN せんたん JAN 2022 vol.30

奈良先端大OB・OGに聞く私は2021年4月から東京理科大学理工学部先端化学科の有光晃二教授のもと助教として働いております。私の研究内容は未だ開拓段階ですが、研究室全体としてのテーマは光化学を中心とした高分子材料の開発で、これまで光化学に触れてこなかった私は勉強の毎日です。研究室メンバーは、6名の3年時配属学生も含めると総勢27名の学生と2名の教員から構成されています。今は慣れましたが、当初は奈良先端大に比べての学生数の多さに圧倒されました。そこで、学生に対しては楽しくかつスムーズに研究を進められるように、なるべく1人1人ディスカッションを重ねて日々の研究活動を行っています。また、研究室外での主な業務としては、週2回ある学生実験授業の現場教員です。この場でも学部生に実験を楽しく感じてもらうように話しかけながら見て回っています。私は、奈良先端大に2016年度に入学し、活発な先生とラボの雰囲気が気に入り網代広治教授のナノ高分子材料研究室の門を叩きました。当時設立2年目だったラボは、メンバーが10名程度と少数ながらもアクティビティが高く、留学生を含む様々なメンバーの間で毎日のように活発にディスカッションを交わしていました。お互い大きく異なる内容であっても研究テーマをある程度理解していて、時には他のメンバーのテーマの文献も読み漁ることなどもしていました。こうした経験は、学生の様々な研究テーマをフォローしなければならない現在に多少なりとも役立っているかもしれません。また、留学生の多い奈良先端大では自然と英語を話さなければならない機会が多く、入学時に感じていた英語への苦手意識を取り払えたことは非常にプラスでした。僭越ながら、研究は楽しくというのが奈良先端大時代に培った私のモットーです。この考え方は、網代教授の指導のもとで自然と生まれてきました。網代教授の指導で印象に残っているお言葉が、「論文というものは個人の考えが反映されるものであり、たとえ同じデータでも書く人によって全く異なるストーリーになるのが面白い」というものです。それから、研究活動を創作活動と捉えるようになり、「だからこそ楽しく」という考えに至りました。網代研の先生方は、そうした私をエンカレッジして自由に研究する環境を与えて下さり、興味の赴くままに様々な研究分野にチャレンジさせていただきました。結果として不完全燃焼気味に博士後期課程を終えてはしまいましたが、広い分野を経験したことは今後の糧になると信じております。最後に、研究者としてスタートを切ったばかりの私ですが、奈良先端大で学んだことを存分に活かしてOBとして活躍できるように日々精進してまいります。研究棟にて研究室のデスク「研究活動を創作活動と捉えて楽しみながら、興味の赴くままに様々な研究分野にチャレンジさせていただきました」青木大亮Daisuke Aoki東京理科大学理工学部先端化学科(工学系)助教Profile : 2021年度博士後期課程修了(物質創成科学領域ナノ高分子材料研究室)21 S E NTAN