ブックタイトルSENTAN せんたん JAN 2022 vol.30

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SENTAN せんたん JAN 2022 vol.30

砂原秀樹氏慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授KGRIサイバーセキュリティ研究センター長平尾俊貴氏株式会社dTosh代表取締役社長奈良先端科学技術大学院大学特任助教西川剛樹氏パナソニック株式会社テクノロジー本部ヒューマンテックソリューション部長/奈良先端大OB飯田元氏奈良先端科学技術大学院大学教授教育推進機構イノベーション教育部門長工程管理などの支援技術を研究しています。近年は、奈良先端大など理系大学院生の企画力や応用力、創造力を高めるべく、分野横断型の技術者育成や起業家などの人材育成に取り組んでいます。砂原氏村井先生とともに日本のインターネットの礎であるWIDEプロジェクトを手掛け、奈良先端大教授時代は、オンデマンド授業や実用型の電子図書館などを実現しました。サイバーセキュリティが専門分野ですが幅広くIT分野の人材育成に取り組んでいます。瀬川氏いま大学にはどのような人材が求められているのでしょうか。西川氏デジタル分野は変化が激しくて、間近の課題に対して忙しくさせられているような感覚があります。そのなかでも着実に長期的視野で取り組んでいくための課題設定力が必要です。課題設定するためには、主体性、多様性、協調性が重要となります。この点において、学部がなく、大学院からスタートする奈良先端大は、これらのスキルを養うことに極めて向いています。平尾氏技術と組織を操れる人材がこれからのDX時代においては必要と思います。新しい技術やシステムを導入する時、組織の中で利害対立ができて「同意しても動かない」という状況になります。技術を包括的に知り、組織をうまく扱える人材がこれからのDXには必要な人材と思います。飯田氏IT企業が人材に求めるイメージは、昭和末期は「とにかくいい素材が欲しい。入社後に鍛える」という感じでした。平成に入るころから「即戦力になる技術教育」に変わり、平成中期ごろからは「新技術がキャッチアップできるような人材」になりました。現在は、「自分でキャリアを切り開ける人」を求めているようです。砂原氏その意味では、「これをしたい」という想像力、「何が必要か」という分析力や実現力を備えた人材が必要です。野村氏ただ、日本社会は暗黙知が多く、「この人に相談しないと先に進まない」となったり、リスク管理が厳しすぎて前に進みにくい組織づくりなので、企業の文化や運営の仕方をアジャイルの発想セッションコーディネーター瀬川茂子氏朝日新聞社科学医療部記者で突破できる人材が求められるような気がします。瀬川氏DX時代に活躍できる人材を作る教育はどのようにすればいいのでしょうか。平尾氏カナダでは、1年のうち長期間に渡って企業のインターンシップへ行くことが義務付けられる大学があります。大学で先端技術を学習すると同時に企業・組織の中でビジネス的な技術の使い方を学ぶ。この方法で有能な人材を輩出しています。西川氏「やりがい」が成果の源泉だと思っていて、その起点は小さな成功体験から生まれます。それが自信となって自分の型がつくられ、大きな成果につながります。砂原氏私はモチベーションの維持が不可欠と思っています。そのためには、実験設備など研究環境を整えることが重要です。教育は「人材」というよりも「人財」を養成し、財産としての価値を高めていく作業が大学の役割と思っています。飯田氏これまでの技術人材の中には、技術研究さえやっていればいいと考える人もいましたが、これからは技術もDXも自分事として担える人材を送り出していきたいと思います。S E NTAN0 4