ブックタイトルSENTAN せんたん MAY 2021 vol.30

ページ
17/20

このページは SENTAN せんたん MAY 2021 vol.30 の電子ブックに掲載されている17ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

SENTAN せんたん MAY 2021 vol.30

奈良先端大OB・OGに聞く私は、奈良先端大の学生であった修士課程の2年間、ユビキタスコンピューティングシステム研究室に所属し安本慶一教授の元で「スマートホーム」についての研究を行いました。この間、研究室が所有する実験住宅を舞台に、「どうすれば、居住者の暮らしをもっと豊かにできるだろう」「どんなIT技術やIoTサービスが、最適なのか」と常に考えながら、研究やシステム開発を続けていました。一時期は、ほぼ毎日実験住宅で実際に暮らしながら研究や開発を行い、「簡単に家電を操作できるボタン」や「妖精と一緒に暮らすサービス(アプリ)」等を室内に導入していました。このため、周囲から「スマートホームの主」とまで呼ばれる存在になりました。そして今、私はミサワホーム株式会社に就職し、住宅メーカーの立場として「暮らし×ICT」について日々研究・開発を行っています。主な業務は、最適な宅内センサの検討、新たな住宅サービス検討・設計・開発、モデルハウス(住宅展示棟など)を用いた実験・分析、そして、宅内センサデータの有効活用方法の検討(ビッグデータ解析など)といった内容です。ただ、根底にある「居住者の暮らしを豊かにしたい」という想いは奈良先端大で研究していた時と何一つ変わっていません。実験住宅で行ったスマートホームの研究やシステム開発の経験、ノウハウは確実に今の仕事に活かされています。私は今の仕事が楽しい。自分で考え研究・開発を行った住宅サービスやシステムが世に出て、住む人の暮らしを少しでも豊かにできることが喜びです。好きな事を仕事にできることは、とても幸せなことです。私がスマートホームという「一生モノの趣味」を見つけられた大きな要因は、安本慶一教授をはじめ研究室の皆様に、実験住宅の中で自由な発想の研究やシステム開発・構築ができる「環境」を提供してもらえたことにあります。今考えても、相当な無茶を許容してもらっていたと思います。感謝しかありません。奈良先端大の学生のみなさんにとっては、今でこそ「何でもできる時間」があります。多分、このような時を社会に出てから与えられることは無いと思います。最高の環境をふんだんに活用して何か一つでもいいから「自分の好きな事」を見つけてもらえたらいいなと思います。これだと決めたら、後は突き進むだけ。コツは「自分が楽しむ事」ですよ。渋谷の住宅展示場にて「50のIoTがある家」についての取材を受けた時の写真。(上写真)渋谷の住宅展示場にて「50のIoTがある家」についての取材を受けた時の様子。(下写真)渋谷の住宅展示場にて「50のIoTがある家」についての説明を行っている様子。「好きなテーマを見つけたら、後は突き進むだけ。持続するコツは、自分が楽しむことにあります」守谷一希Kazuki Moriya株式会社ミサワホーム総合研究所領域創生センター暮らしIT研究室Profile: 2016年度博士前期課程修了(情報科学領域ユビキタスコンピューティングシステム研究室)S E NTAN16