ブックタイトルSENTAN せんたん MAY 2021 vol.30

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概要

SENTAN せんたん MAY 2021 vol.30

﨑新先端科学技術で未来を共創する大学の実現めざす学新学長しおざきかずひろ塩﨑一裕奈良先端科学技術大学院大学の新学長に塩﨑長に聴く塩﨑一裕学長のプロフィール京都大学理学部を卒業、同大大学院理学研究科生物物理学教室で理学博士号を取得後、渡米。スクリップス研究所研究員を経て、米国カリフォルニア大学デービス校微生物学科教授となり、2010年に帰国して奈良先端大特任教授に、翌年バイオサイエンス研究科教授に就任後は、学長補佐、バイオサイエンス副領域長などを歴任し、2021年4月に学長に就任。専門分野は、分子細胞生物学、酵母分子遺伝学。一裕氏が就任しました。生命の基本的な仕組みを解き明かす分子細胞生物学の研究者である塩﨑新学長は、10年前に米国カリフォルニア大学デービス校教授から本学の教授となり、教育研究の発展に貢献してきました。情報科学、バイオサイエンス、物質創成科学の3領域を統合した1研究科体制を基盤に、今後、全学の「共創」を掲げて新たな課題に取り組む大学運営の手腕が期待されます。そこで、今年10月に創立30周年を迎える本学の長期ビジョンなど、時代を画す大学づくりの抱負を語ってもらいました。―学長に就任されて今のお気持ちはどうですか。これまでは、研究者・教員という立場でしたが、学長という全く異なる役割を担うことになりました。自分にとって新しい挑戦であり、わくわくする気持ちが非常に大きいと同時に、責任の重さも実感しています。10年前に米国から帰国して本学に着任し、日本の学生さんたちと一緒に研究をして、インパクトのある成果を残すとともに人材の育成に努めたいとの意欲を持ってきました。学長就任はある意味、方向転換となりますが、全学の協力を得て責務を果たしていきたいと思います。―大学運営について、さまざまな立場の人が協力して新たな価値観を創り出す「共創」(Co-creation)という概念を提唱されていますが、その真意は。共創という言葉は、最近では大学や研究組織、企業などの運営方針に使われる例が増えており、一種のキーワードになっています。本学は、総合大学とは違って比較的規模が小さいので、教職員や学生一人一人の顔が見え、個性を感じることもできます。その点で、構成員が課題や問題点を共有し、アイデアや意見を交換しながら新しいものを創り出す素晴らしい環境が備わっていると考えて、「共創」を前面に打ち出しました。2018年4月に、01 S E NTAN