ブックタイトルSENTAN せんたん SEP 2021 vol.30
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SENTAN せんたん SEP 2021 vol.30
事・副学長に聴く過去の成功にとらわれず、新時代の研究大学の存在感を示す理事・副学長制度疲労を見直すおおたじゅん太田淳―今回、理事・副学長に就任され、教授職も続けられます。研究、国際連携、中期目標・中期計画、大学評価、産官学連携などについて掌握されますが、どのような抱負を持っておられますか。奈良先端大は創立30周年を迎え、建学時のさまざまな理念が実を結んで成功してきました。しかし、30年が経つと大学をめぐる社会環境が変わり、いろいろな形で制度疲労が出てきます。次世代に向けて発展していくためには、ここで少し考え直さないといけないと思っています。実は、今回の大学の運営にあたる執行部の学長、副学長は、いずれも大学創設時のメンバーではないので、過去の成功を念頭に置きながらも、それに固執することなく将来を見通した運営が図れます。その意味で、私の担当である研究、中期目標・中期計画などの面で、大学院大学として強化していくための新機軸などについて、学長や他の理事とともにプランを練っていきたい。大学の存在感を高めるには、現状を変えなければならないのです。開かれた研究室に―太田先生は大手企業の研究統括(グループマネージャー)を経て、本学に赴任されましたが、企業の視点から見た大学の在り方は。企業に居たときの視点は今でもあり、その点でも大学をもう一度見直してみるちょうどいい機会かなと思っています。塩﨑学長は「共創」を一つのキーワードに据えていますが、企業の視点は、大学が企業などとうまく連携していくうえで重要になってくると思います。例えば、企業の経営と研究は自立していますが、必要な技術の共同開発、製品の販売など様々な面で外部との協業、コネクションが絶対に必要です。しかし、大学では極端に言えば研究室に閉じこもってしまえる。それではダメでいかに共創していくかが問われる時代になります。まず、大学内で、教員、事務職員ら職種を問わず一丸となって事に当たる。本学は小規模なので「互いに顔を知っている」関係は功を奏すると思います。03 S E NTAN