ブックタイトルSENTAN せんたん SEP 2018 vol.27
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SENTAN せんたん SEP 2018 vol.27
情報科学領域大規模システム管理研究室笠原正治教授仮想通貨のブロック・チェーンを応用し、IoTのセキュリティを保証する技術を開発莫大な数の接続機器への不正アクセスを個別に制御情報科学領域大規模システム管理研究室の笠原正治教授、張元玉(チョウエンユ)助教は、西安電子科技大学の沈玉龍(シェンユロン)教授らとの共同研究により、データを分散して管理する仮想通貨の基盤技術「ブロック・チェーン」を応用して、多数の機器が接続した「IoT(モノのインターネット)」ネットワークのセキュリティを保証するアクセス制御方式を開発した。莫大な数のセンサやユーザ・デバイス(装置)が連携して構成されるIoTネットワークでは、セキュリティが脆弱なIoTデバイスを介して不正な意図を持ったユーザがシステム内のリソース(データなど)やサービスに不法にアクセスできてしまうという重大なセキュリティ問題がある。このため、今回の研究は、ブロック・チェーン上で機能し、個々のデータの信頼性をチェックするスマートコントラクト技術を応用。膨大な数の信頼し難いIoTデバイス群で構成されるネットワークシステム上で、信頼性が保証された分散アクセス制御を実現するフレームワーク(基本構造)の開発に成功した。これにより、とてつもない数のIoTデバイスと多種多様なリソースやサービスを強固なセキュリティの下で連携させることが可能となり、人とモノがより簡単につながる政府提唱の「Society 5.0」の実現に向けた基盤技術として期待される。この研究成果は、6月15日付け「IEEE Internet ofThings Journal」にオンライン公開された。最新の研究成果バイオサイエンス領域神経システム生物学研究室稲垣直之教授神経軸索が正しい方向に伸びる仕組みを解明進路決定のための高感度ナビゲーターが明らかにバイオサイエンス領域の馬場健太郎研究員、稲垣直之教授、研究推進機構の河野憲二特任教授と、カリフォルニア大学デービス校、東京大学の共同研究グループは、神経細胞が細胞外の超微細な誘引シグナルの違いを高感度に感知し、軸索が伸びる方向を決定するためのナビゲーター分子を発見し、その働きを明らかにした。また、このナビゲーター分子が働かなくなると、軸索が方向転換できなくなり、脳内の情報ネットワークに異常が生じることも突き止めた。脳内の神経細胞は、軸索と呼ばれる長い突起を脳内の正しい場所に伸ばして、正しい神経細胞と結合することで脳の活動に必要な情報ネットワークを作る。その方法の一つに、軸索の先端がまわりの誘引分子を検知し、それが多く存在する方向に伸びる「走化性」という現象が知られているが、その仕組みはよくわからなかった。そこで、稲垣教授らは、軸索が周囲に存在するネトリンという誘引分子のわずかな濃度差を検知してシューティンという軸索を伸ばす役割のタンパク質に伝えることにより、軸索伸長を誘導するという仕組みを解明した。この仕組みが働かないマウスの実験では、脳内の軸索の走行経路に異常が生じることもわかった。この成果により神経ネットワーク形成やヒトの脳疾患についての基礎研究の進展や、再生医療への応用などが期待できる。論文は8月7日に英国の学術誌「eLife」に掲載された。その他の研究成果一覧2018.4酵母が冷凍保存後も高い発酵力を維持する仕組みを解明変性タンパク質を分解する酵素が重要な役割~冷凍耐性や発酵力が向上したパン酵母の育種に期待~バイオサイエンス領域ストレス微生物科学研究室高木博史教授生体内で神経を光刺激する世界最小のワイヤレス型デバイスを開発~光遺伝学の新たなツールとして脳神経科学研究や医療の発展に期待~物質創成科学領域光機能素子科学研究室徳田崇准教授1 1 S E NTAN