ブックタイトルSENTAN せんたん SEP 2018 vol.27

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概要

SENTAN せんたん SEP 2018 vol.27

国際学会にて。プレゼンは今でも苦手ですが、少しずつ改善努力をしています。信澤岳Takashi Nobusawa広島大学大学院理学研究科附属植物遺伝子保管実験施設助教Profile : 2012年度博士後期課程修了(バイオサイエンス研究科植物組織形成学講座)活躍してください大きな価値が生み出せることを忘れずに、恵まれた環境は能動的に活用できてこそNAIST OB・OGに聞く2012年まで梅田正明教授の研究室で高等植物の発生・形態形成を学んでいました。在学中に印象的だったことはいくつもありますが、なかでも、学生寮に住めたおかげで研究室にどっぷり入り浸れていたことや、研究データが出るたびに梅田先生がよく数時間に及ぶディスカッションに付き合ってくださったこと、国内外から招かれた研究者による講演会(GCOEセミナー)が頻繁に開かれ、ハイレベルな科学・技術をいつも間近に感じられていたこと。そして研究室間の交流が頻繁にあり、酒の匂いに釣られて次々と学生も教職員も集まってきては、研究の話や雑談に花を咲かせていたことが真っ先に思い出されます。もちろん、楽しいことばかりではなく、博士後期課程学生の多くが感じるような不安で落ち込んだりもしましたが、それも含めて良い経験になっていると今では思えます。学位取得後は、植物の発生・形態形成分野と脂質分野を融合させた研究をいつか展開するのだという野望を抱き、在学中に興味を持った植物脂質科学を学ぶことに決めました。東京工業大学の太田啓之研究室で、藻類を主な研究材料とした植物脂質研究に携わる機会に恵まれ、気づけば5年が経っていました。ようやく研究が軌道に乗ってきた頃、このまま藻類を対象とした研究を続けていくのか、あるいは高等植物研究に戻るのか悩んでいたところで、タイミングよく高等植物の発生と老化を中心に研究している現所属の公募を知りました。採用面接では英語でのプレゼンテーションを求められましたが、NAIST在学中に英語での研究発表訓練の機会(GCOEサマーキャンプなど)や、海外から招いた学生たちとの合宿の機会、そして国際学会への参加・発表の機会に参加する機会を何度も頂いていた経験が、大いに役立ちました。いま所属している広島大学の草場信研究室では、モデル植物はもちろん、キクやソテツのコレクションをはじめとした多様な植物も活用できる研究環境にいます。他人と同じことをするのが嫌いな性分ですので、これまでの経験を活かしながら、将来的には自分独自の研究を探して推進していきたいと考えています。私がNAIST在籍時に素晴らしい研究環境を頂けていたのだということは、学位取得後に自分自身で気づくとともに、雑談の中で他の研究機関の方々からも言われることがあります。思い返すと、その素晴らしい環境はまだまだ活用できる余地がたくさんあったはずだと、悔しい気持ちになるほどです。NAISTの後輩学生の皆様はどうか、恵まれた環境は能動的に活用できてこそ大きな価値が生み出せるのだということを忘れずに、活躍していってください。大温室のソテツ類維持系統。S E NTAN1 6