科学コミュニケーション団体NASC
奈良先端大には大学が公認する学生たちの課外活動団体が数多くありますが、もっとも活発に活動する団体のひとつに、NASC(NAIST Science Communicators)というサークルがあります。
多くの人に科学に親しんでもらうことをテーマに、これまでも「科学実験教室」や「サイエンス教室」などの活動を行ってきましたが、今年も8月の夏休み期間中に「夏のほしぞら教室」を開催したほか、地元行政と連携し、「科学のまちの子どもたち」プロジェクト(精華町)に参加しました。
「ほしぞら教室」は夏と冬の年2回、近隣の小学生を対象に長年実施してきたものです。今夏の開催は奈良女子大学の天文部にサポートを要請し、より天文学にフォーカスした企画にしました。同時に運営体制の充実も図られ、同大の附属小学校の子どもたちにも呼びかけたところ、100名以上の子どもが来場し、奈良先端大の全ての大講義室が埋まったとのこと。
中心メンバーとして活動した房前佐和さん(物質創成科学領域/分子複合系科学研究室・M1)は、自身の研究とNASCの活動のバランスのとり方で悩むこともあったが、他大学を交えた新たなスキームづくりや子どもたちとの係りを通じて、充実感や達成感を得られたと語ります。
「科学のまちの子どもたち」プロジェクトは、2年前の精華町でのイベントがご縁となったもので、今回は、同町がKICK(けいはんなオープンイノベーションセンター)で開催した夏休みの子ども向けワークショップに参加。小中学生を対象に、「プログラミング言語を使って小型ロボットで宝探しのゲームをしてみよう」という企画で体験講座を行い、町が実施したアンケートでも好評をいただきました。
担当した大矢康太さん(バイオサイエンス領域/構造生命科学研究室・M1)によると、「子どもたちからは、逆に気づきを教わる場面もあった」とか。 コミュニケーションは、ワンウェイではなくツーウェイの関係になってこそで、子どもたちだけでなく、Science Communicatorとしての彼らにとっても、良い学びの機会になったはずです。
本学で開催した「夏のほしぞら教室」
精華町で行ったプログラミングのワークショップ