お知らせ 2013/10/10
10月3日(木)、平成20年度から創立記念日(10月1日)の記念事業として実施している創立記念学術講演会及び昨年ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥本学栄誉教授の功績を讃えた銘板除幕式を開催しました。
講演会は、平成25年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「科学技術賞」を受賞したバイオサイエンス研究科の箱嶋敏雄研究科長から「構造細胞生物学」 について、同研究科の河野憲二教授から「小胞体ストレス応答機構およびTRECKマウスの開発」について、それぞれの研究内容や研究成果に関しての講演が 行われ、本学名誉教授、学長及び理事をはじめとする役職員と学生、けいはんな学研都市の企業などから約150名が参加しました。
また、講演会後には、小笠原直毅学長、箱嶋研究科長、山田康之元学長ら歴代学長によるノーベル賞受賞記念銘板の除幕式が行われました。山中栄誉教授 が、iPS細胞の樹立につながる"人工幹細胞の創成"の研究構想を初めて紹介した場所である本学バイオサイエンス研究科大講義室に設置するとともに、山中 栄誉教授が本学在職時に使用していた顕微鏡も設置し、完成を祝いました。
その後、名誉教授との懇親会が行われ、関係役職員間で意見交換が行われました。
「山中栄誉教授からのメッセージ」
失敗を恐れずに挑戦を私が、iPS細胞樹立を目指す研究を始めたのは、奈良先端科学技術大学院大学に赴任してからのことです。
基礎研究は簡単に成果を出すことができるものではありません。当初は20〜30年かかるだろうと思い、覚悟を決めてい ましたが、研究室の若者たちの頑張りで、幸運にもわずか数年で達成することができました。この過程だけを見ると、順風満帆な研究生活に見えるかもしれませ んが仮説とは異なる実験結果に意気消沈したことも多々ありました。
実際、実験は失敗の連続であることがほとんどです。野球の打率は3割あれば名選手ですが、研究は1割でも当たったら優 秀です。しかも、9回失敗しないと、なかなか1回の成功が手に入りません。ですから、恐れることなく、思い切って挑戦し、たくさん失敗してください。ま た、失敗したからといって、がっかりすることはありません。一見、失敗に見えることでも、中立な視点でデータを捉え直すと、自然からのヒントが現れてくる ということもあるのです。みなさんの頑張りに期待しています。
京都大学iPS細胞研究所所長 |
山中本学栄誉教授 2012年ノーベル |
講演する箱嶋研究科長 |
講演する河野教授 |
除幕する小笠原学長、箱嶋研究科長、 |
銘板と本学バイオサイエンス研究科 |
銘板前にて(前列左から箱嶋研究科長、 |