研究成果 2017/10/03
物質創成科学研究科 凝縮系物性学研究室の大門寛教授、服部賢准教授、楊昊宇さん(D3)、大畑慧訓さん(修了生)、竹本昌平さん(D3)の研究グループは大阪大学産業科学研究所の田中秀和教授、服部梓助教の研究グループと共同で、原子分解能をもつ走査トンネル顕微鏡を用いて、デバイス加工後のシリコン切削側面表面を原子レベルで平坦かつ清浄にし得ることを世界で初めて明らかにしました。
これまでデバイス加工後の側面表面の顕微評価はナノメートル程度の分解能をもつ走査電子顕微鏡でしかなされておらず、精密なデバイス加工を施しても、顕微プローブが加工構造と干渉するため、原子レベルでの評価はなされておらず、デバイス性能を十分に発揮できていませんでした。
今回、本研究グループは、デバイス形状を顕微プローブと干渉しない加工構造に調整することにより、原子レベルでのデバイス加工側面の顕微観察に成功し、加工側面表面を平坦かつ清浄にし得ることを示しました。これにより、原子レベルでの側面加工の確度の向上、及び精密側面を利用した立体超集積回路の構築の推進が期待されます。
本研究成果は、2017年10月2日に学術誌「Japanese Journal of Applied Physics 」オンライン版に掲載されました( https://doi.org/10.7567/JJAP.56.111301 )。
また、本研究成果はWEB Optronics onlineにて報道されました( http://www.optronics-media.com/news/20170921/48317/ )。