受賞 2018/04/10
花発生分子遺伝学研究室の山口暢俊助教が、平成30年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「若手科学者賞」を受賞することが決定しました。同賞は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者を表彰するものです。
なお、表彰式は、4月17日(火)、文部科学省3階講堂にて執り行われます。
受賞者
氏名:山口 暢俊(36歳)
現職:国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 助教
受賞の対象となった研究業績
「植物の花の運命を決める遺伝子ネットワークの研究」
受賞研究の概要
花をつくるために最初に行われるのは、花の運命の決定です。花の運命決定には転写因子LFYが中心的な役割を果たしますが、上流と下流の遺伝子ネットワークは不明でした。山口助教は、花の運命を決めるLFY遺伝子を中心とした遺伝子ネットワークを明らかにしました。植物ホルモン・オーキシンを介したクロマチンの構造変化により、LFY遺伝子のプロモーターが若い花芽で限定的に働きはじめます。転写因子LFYは植物ホルモン・ジベレリンを不活性化する酵素をコードする遺伝子の転写を介して、花の運命決定を実行します。本研究成果は、花の運命を決める遺伝子ネットワークを明らかにしました。得られた成果は、細胞に花の運命を人為的に与える技術の確立に貢献すると期待されます。
受賞についてのコメント
これまで研究を支えてくださった方々に感謝します。今回の受賞をきっかけに、さらに研究を発展させられるように励みます。
参考リンク
文部科学省ホームページ