研究成果 2020/02/21
暗闇でもカラー撮影を可能にする「赤外線カラー暗視技術」の開発・設計・製造を行う株式会社ナノルクス(本社:茨城県つくば市、代表取締役:祖父江基史)と奈良先端科学技術大学院大学(奈良県生駒市、学長:横矢直和)先端科学技術研究科 物質創成科学領域 光機能素子科学研究室の太田淳教授は、共同研究により、近赤外マルチスペクトルフィルターをFull HDイメージセンサー上に形成することに成功しました。
産業技術総合研究所保有の8インチ用ステッパー等フォトリソ加工装置群を使用し、表面に積層誘電体膜が形成された8インチSiイメジャー基盤(ピクセルサイズ:3um)に、複数回の高精度フォトリソ、エッチング加工を行い、ベイヤー配列の近赤外線多層膜フィルターアレーを形成しました。
今回の開発のポイントは、独自特許の多層膜構造(=ファブリーペロー基本構造)で、微細加工と薄膜(1.1um)を実現したことで、世界で初めて実用レベル(3umサイズの画素)のマルチスペクトルセンサーの製造が可能となり、脈波、監視など多様な活用方法が開けたことです。今後、同社は、同センサーを活用したバイタルセンシング、監視カメラの実用化に取り組んでいきます。