地域共創推進室シンポジウム 栄える奈良 備える奈良 ~「産官学金」で進めるイノベーションの創出と防災~を開催(2023/01/31)

イベント報告 2023/02/03

  1月31日(火曜日)、奈良県コンベンションセンター(奈良市)おいて『令和4年度奈良先端大地域共創推進室シンポジウム 栄える奈良 備える奈良 ~「産官学金」で進めるイノベーションの創出と防災~』(主催:奈良先端大、共催:南都銀行、後援:奈良県)を開催しました。

 「地域共創推進室」は、地域の産業界(産)や自治体(官公庁)が蓄えた様々なシーズや、活用の受け皿となるニーズをめぐり、奈良先端大(学)の先端科学技術研究と南都銀行(金融機関)の地域に密着した活動を両輪にして紡ぎ合わせることで、地域が抱える課題を産官学金の連携により解決し、創造的な社会の発展につなげる「共創」の実現を目的としています。
  「地域共創推進室」の設置以降、観光動画キュレーションプロジェクトやカーシェアプロジェクトなどを開始するとともに、奈良県、奈良市及び奈良工業高等専門学校との包括的連携や地域の産業振興に関する協定の締結を行ってきました。
 第2回となる今回は、「地域の共創」及び「防災」をテーマに企画したもので、県内の企業や自治体の職員などおよそ140人が出席しました。

 開会にあたり、塩﨑一裕学長、橋本隆史南都銀行頭取、舟木豊奈良県文化・教育・くらし創造部長があいさつを行いました。
 第一部の「地域の共創」では、奈良大和郡山市で創業した世界的工作機械メーカーのDMG森精機の森雅彦社長が「奈良から世界へ」をテーマに招待講演を行いました。その中で、低価格競争に一線を画して高付加価値化に取り組んだことや、産業機械、自動車中心だった販売先を宇宙、航空機及び半導体へと拡大した同社の戦略が説明されたほか、「大学と街、企業が一体となった街づくり」の提案がありました。
 また、第二部の「防災」では、防災・減災分野での研究内容・取組事例を紹介する技術講演が行われました。藤居亮一朗あいおいニッセイ同和損害保険奈良支店長は、自治体や研究機関との連携した先例モデルを紹介しました。上野秀剛奈良工業高等学校産学協働・地域創生研究センター長は、学生が取り組んでいる台風などの際の強風でも壊れない農業用ハウスの骨組みに関する研究成果を報告し、藤川和利総合情報基盤センター教授は、災害で電柱や電波塔が倒壊し通信回線や電気が使えなくなった時に車のバッテリーを電源として通信を可能にするシステムについて、また、諏訪博彦情報科学領域准教授は災害時やインターネット壊滅時の避難誘導について講演を行いました。
 このほか、同会場内では、奈良日産自動車やトヨタユナイテッド奈良の協力を得て、カーシェアプロジェクトの車両(第一部「地域の共創」)や、災害時に電力、通信回線を供給する車両(第二部「防災」)の紹介展示が行われました。

 最後に、小笠原司理事・副学長/地域共創推進室長が閉会のあいさつを行い、盛況の中、シンポジウムの幕は閉じました。
 本シンポジウムをきっかけに、防災・減災分野での連携プロジェクトの進展のほか、「産官学金」による地域の課題解決を目指した様々なプロジェクトが進んでいくことが期待されます。  

招待講演を行う森DMG森精機社長
招待講演を行う森DMG森精機社長
技術講演を行う上野奈良高専センター長
技術講演を行う上野奈良高専センター長
技術講演を行う藤川総合情報基盤センター教授
技術講演を行う藤川総合情報基盤センター教授

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