2010/09/29
【概要】
奈良先端科学技術大学院大学(学長:磯貝彰)は、平城遷都1300年記念事業協会(会長:秋山喜久)と協力し、奈良先端大の最先端の研究 成果を通じて、古の都である平城宮跡から未来を体感することをテーマに、10月2日(土)~10月22日(金)の3週間にわたり、平城遷都1300年祭の 平城京なりきり体験館「体験工房」において奈良先端大の情報科学研究科、バイオサイエンス研究科、物質創成科学研究科の研究成果を公開いたします。
その中には、天平衣装をまとい優雅な動作で自律対話を行う案内役の人型ロボット「アクトロイド」やバーチャルに平城京内部を歩き回れる「平城京ウォークスルー」も含まれております。
つきましては、下記のとおり、平城遷都1300年祭の平城京なりきり体験館「体験工房」で公開する研究成果を紹介しますとともに、出展に先駆け、本学情報科学研究科が出展するデモ内容を公開いたしますので、是非ともご出席くださいますよう、お願い申し上げます。
なお、記者発表の当日は、「せんとくん」が登場し、デモ公開に花をそえる予定です。
【当日デモを実施する研究成果】
1.平城京受付ロボット(ロボティクス講座)
天平衣装をまとった人型ロボット「アクトロイド」を用いて、メイン会場である平城宮跡の案内を行います。音声認識、発話、ジェスチャ機能が搭載され、自律 型ロボットとして動作し、対話によるインタラクションが可能です。また、ジェスチャ機能には新しく人の位置や人数を考慮して動作を生成する機能が追加さ れ、より人間らしいインタラクションが可能となっています。
2.音声案内システム「たけまるくん」(音情報処理学講座)
生駒市 のマスコット「たけまるくん」をエージェントとした音声情報案内システムです。特長として(1)ユーザの発話に応じるための質問例データベース、(2)大 人と子供の識別、(3)雑音棄却、(4)自動復旧機能があり、親しみやすいシステムを頑健に実現しています。今回の展示では(1)新分野(遷都祭、奈良の 社寺)の質問例の半自動生成、(2)年齢層別の音声応答を導入することにより、案内範囲の低コストな拡張と、ユーザがより楽しめるインタフェイスを実現し ました。
3.平城京ウォークスルー(像情報処理学講座)
文献等にもとづき、1300年前の奈良の都「平城京」を、コンピュータ グラフィクスで再現しました。マーカを付けた足の動きをカメラで撮影し、足踏み動作を認識することで、広大なバーチャル平城京を自分の足で自由に歩き回る ことができます。奈良時代の大極殿、朱雀門、薬師寺をはじめとする古の建物の数々を散策してみましょう。今後は3D映像の提示など、より臨場感の高いコン テンツの提供を予定しています。
4.フライスルーMR平城京(視覚情報メディア講座)
無人飛行船に搭載された全方位カメラで撮影 された映像に、かつて平城京に存在した建造物をコンピュータグラフィクスで合成し、1300年前の平城京の上空から撮影したような映像を作り出します。展 示では、小型の眼鏡型ディスプレイを通して360度好きな方向を見ることができ、あたかも1300年前の平城京の上空を飛んでいるようなバーチャル飛行体 験できます。この技術は時空を超えたバーチャル旅行などへの応用が期待されます。
5.金魚すくいロボット「ポイポイ君Ⅱ世」(知能情報処理学講座)
人間の技をロボットに教示して学習させておくことで、紙製のポイがやぶれないように、ロボットがポイを巧みに操って、金魚すくいを達成します。カメラで観 測される金魚の群れの状態に応じて学習した技を選択し、また、金魚が分散して群がっている場合には、ポイを使って金魚の群れを集めることで効率的に金魚を すくいます。今後は、人間に勝てる金魚すくいロボットへと発展させていきます。