2011/08/18
奈良先端科学技術大学院大学(学長:磯貝彰)は、公開講座2011「よくわかる最先端バイオ研究」を開催いたします。
環 境・エネルギー問題、再生医療、長寿・健康の維持など私達が直面している問題の解決の突破口としてバイオサイエンスの研究に対して、これまで以上に多くの 関心と期待が集まっています。微生物・植物・動物を用いた生体の仕組みの解明とその応用展開に向けて奈良先端大において行われている最先端のバイオ研究の 一端をわかりやすく紹介します。
つきましては、記事掲載方よろしくお願いいたします。
【日 時】 平成23年10月29日(土)、11月12日(土)、11月19日(土)、11月26日(土)
13時15分~16時00分
【場 所】 奈良先端科学技術大学院大学内 ミレニアムホール
(奈良県生駒市高山町8916-5、けいはんな学研都市)
【定 員】 400名(申込順)
【参加資格】 どなたでもご参加いただけます(要申込)。
【受 講 料】 無料
【申込方法】 郵送またはFAXにて「受講申込書」を公開講座担当窓口までお送りいただくか、本学ホームページ(http://www.naist.jp/)からお申し込みください。
【申込締切】 平成23年10月12日(水)[必着]
【問い合わせ先・公開講座担当窓口】
国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
教育研究支援部 企画総務課 広報渉外係
〒630-0192 奈良県生駒市高山町8916-5(けいはんな学研都市)
TEL : 0743-72-5026 FAX : 0743-72-5011
E-mail : s-kikaku@ad.naist.jp
【奈良先端科学技術大学院大学 ホームページ】
URL : http://www.naist.jp/
【プログラム】
10月29日(土)
13:15~14:30
植物形態ダイナミクス研究室 田坂 昌生(たさか まさお) 教授
◆講演題目 植物の幹細胞
◆ 講義内容 ヒトを含むほ乳類の人工的な幹細胞としてiPS細胞が山中教授によって作り出され、これが再生医療の切り札として一躍注目を集めています。しか し、我々の身の回りにある植物では幹細胞はあまり話題になっていません。高等植物にも幹細胞は有るのでしょうか?これに関して最新の研究成果を交えながら 紹介したいと思います。
14:45~16:00
植物代謝制御研究室 出村 拓(でむら たく) 教授
◆講演題目 環境・エネルギー問題の切り札~木質バイオマスをつくりだすしくみを探る~
◆ 講義内容 環境・エネルギー問題の解決に向けて植物由来の資源(バイオマス)の利活用が見直されています。中でも、食糧生産と競合しない樹木由来の木質バ イオマスが近年脚光を浴びています。本講座では、身近に存在する木質バイオマスを植物がどのようなしくみでつくっているのかを解説するとともに私たちがお こなっている木質バイオマスの改良に向けた取りくみについて紹介します。
11月12日(土)
13:15~14:30
腫瘍細胞生物学研究室 加藤 順也(かとう じゅんや) 教授
◆講演題目 細胞がん化の分子メカニズム
◆ 講義内容 がん細胞は正常細胞から遺伝子の変異によって生じます。この細胞がん化のプロセスでは正常細胞を制約する様々な要因が取り除かれます。生体内に おいて正常細胞の機能を制御し、がん化を抑制する機構には、増殖制御、死、分化、老化などがあげられます。本講座では、細胞ががん化する仕組みについて、 最近の知見を交えて紹介します。
14:45~16:00
神経形態形成学研究室 稲垣 直之(いながき なおゆき) 准教授
◆講演題目 神経を伸ばす分子の仕組み
◆ 講義内容 神経細胞は突起を長く伸ばし、他の神経細胞とつながることにより脳内に回路網を作ります。まるで、コンピューターがインターネットのケーブルに よってネットワークを作るようなものです。私たちの脳の活動はこの回路網を介してなされます。本講座では、神経を伸ばす分子の仕組みについての最新の研究 をライブ映像を交えてご紹介し、神経再生医療への応用の可能性についてお話します。
11月19日(土)
13:15~14:30
植物細胞機能研究室 橋本 隆(はしもと たかし) 教授
◆講演題目 タバコ植物はどのようにしてニコチンをつくるのか?
◆ 講義内容 喫煙者のみならず受動喫煙による肺がんの誘発などの健康被害が社会問題となり、近代では分煙・禁煙が強く推奨されています。タバコの主要生理活 性成分はニコチンであることは良く知られていますが、タバコ植物が何のために、どのようにしてニコチンを合成し、蓄積するのかは最近になってようやく遺伝 子レベルで明らかになってきました。本講座では、タバコ植物がニコチンを合成するように進化した過程と、低ニコチンタバコ品種がどのように育種されるのか を解説します。
14:45~16:00
細胞シグナル研究室 塩﨑 一裕(しおざき かずひろ) 教授
◆講演題目 酵母菌から学ぶヒト細胞のしくみ -糖尿病・ガン治療の手がかりを探る-
◆ 講義内容 酵母菌と言えば、すぐにパンやビール・ワインなどが思いうかびますが、実は基礎医学の分野でも優れた材料として世界中で多くの科学者たちが研究 しています。なぜなのでしょう?何がわかるのでしょう?本講座では、糖尿病やガンといった病気の原因解明と治療を目指した最新の研究で、ヒト細胞のモデル として酵母菌がどのように使われているかを紹介します。
11月26日(土)
13:15~14:30
動物遺伝子機能研究室 川市 正史(かわいち まさし) 教授
◆講演題目 遺伝子から攻める病気の機構
◆ 講義内容 遺伝病はもちろんですが、その他の多くの病気も遺伝子の異常で起こります。ヒトはどのように病気になるのかを遺伝子レベルで調べることで、予防 法や治療法を開発する手掛かりを得られます。また、病気を起こす遺伝子を調べることにより、正常のヒトの体の働きをより詳細に理解できます。本講座では、 特に高齢者に起こりやすい関節炎、網膜疾患、がん、脳梗塞と関連した一つの遺伝子を中心に、遺伝子と病気の関係をお話します。
14:45~16:00
生体機能制御学研究室 佐藤 匠徳(さとう なるとく) 教授
◆講演題目 ヒト疾患治療のための研究最前線
再生医療からガン・心血管病・生活習慣病治療まで
◆ 講義内容 近年のヒト疾患研究の目覚しい発展で、ひと昔前には治療不可能であった多くの病気が現在は治療可能なってきました。最近では、工学、化学、コン ピューターサイエンスなどの概念、手法をもとり入れた新しいヒト疾患研究が行われるようになりました。そこで、現在の最先端の研究でどのような病気がどの ような方法でまさに治療できるようになりつつあるのか、また、これから将来10~20年の間に開発されると期待される新治療法の解説をします。