奈良先端大 公開講座2012「ソフトマターが拓く未来のくらし」

2012/08/07

奈良先端科学技術大学院大学(奈良先端大、学長:磯貝彰)は、公開講座2012「ソフトマターが拓く未来のくらし」を開催いたします。
高 分子や液晶、生体物質などソフトマターと呼ばれる物質は、有機分子でできている柔らかい物質です。電子機器から医療応用まで幅広く用いられており、我々の 生活を豊かにし、健康維持に役立っています。物質創成科学研究科が切り拓いているソフトマターに関する最先端研究についてやさしく解説します。
つきましては、取材方よろしくお願いいたします。
また、別添のとおり開催概要をお送りいたしますので、併せて記事掲載方よろしくお願いいたします。

【日  時】 平成24年10月6日(土)、10月13日(土)、10月20日(土)、10月27日(土)
       13時45分~16時30分

【場  所】 奈良先端科学技術大学院大学内 ミレニアムホール
       (奈良県生駒市高山町8916-5、けいはんな学研都市)
【定  員】 400名(申込順)
【参加資格】 どなたでもご参加いただけます(要申込)。
【受 講 料】 無料
【申込方法】 本学ホームページからお申し込みください。

【申込締切】 平成24年9月13日(木)[必着]
【問い合わせ先・公開講座担当窓口】
  国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
  教育研究支援部 企画総務課 広報渉外係
  〒630-0192 奈良県生駒市高山町8916-5(けいはんな学研都市)
  TEL : 0743-72-5112  FAX : 0743-72-5011
  E-mail : s-kikaku@ad.naist.jp
  
【奈良先端科学技術大学院大学 ホームページ】
URL : http://www.naist.jp/

【プログラム】
10月6日(土)
13:45~15:00
反応制御科学研究室 垣内 喜代三(かきうち きよみ)教授
◆講演題目 光反応を用いた複雑な有機分子の創り方
◆ 講義内容 光反応は、通常の(熱)反応では極めて困難、あるいは多段階の反応を要する複雑な構造の有機分子を一段階で効率よく合成できる特徴を持っていま す。しかしながら、光反応は、エネルギーの高い状態を経て反応が進行するために、いかに反応制御を行うかが合成反応としての有用性を高める鍵となります。 本講座では、最近私達の確立した光反応の新しい制御法による多様な有機分子の効率よい創り方を紹介します。

15:15~16:30
情報機能素子科学研究室 石河 泰明(いしかわ やすあき)准教授
◆講演題目 半導体との融合-広がる生体超分子の可能性-
◆ 講義内容 半導体プロセスの中で、ソフトマターを材料内部に取り込むことはこれまでに考えられませんでした。基本的に有機物を不純物として扱ってきたため です。しかし、近年、ソフトマターの能力を積極的に利用した半導体材料技術の研究開発が活発になっています。本講座では、ソフトマターの一つである生体超 分子材料と半導体材料の最先端融合技術について紹介します。

10月13日(土)
13:45~15:00
高分子創成科学研究室 藤木 道也(ふじき みちや)教授
◆講演題目 生命の起源から学ぶ未来のプラスチック
◆講義内容 プラスチックは石油を原料にして年間世界で2億6000万トン(東京ドーム200個分)
も 生産され、私たちのくらしを豊かにしてくれる素材ですが、DNAやタンパクのような左右性がありませんでした。最近私たちは生命の起源を発想して、プラス チックに左右性を付与する独創的な手法を開発しました。将来、資源枯渇の恐れがない生物資源や撹拌、光などをつかって有用なプラスチックを製造できるかも しれません。

15:15~16:30
有機高分子科学研究室 山田 容子(やまだ ひろこ)教授
◆講演題目 光を使って機能をコントロールする
◆ 講義内容 光や熱などの外部刺激を与えることで隠されていた機能や性質を引き出すことができます。光らないものから光るものへ変換できれば、センサーやバ イオイメージングに利用することができますし、アモルファスから結晶材料へ変換できれば、塗布型有機半導体材料として活用できます。本講義では有機分子の 構造変化を利用した、このような「潜在性機能材料」の開発について紹介します。

10月20日(土)
13:45~15:00
エネルギー変換科学研究室 片岡 幹雄(かたおか みきお)教授
◆講演題目 タンパク質と水
◆ 講義内容 私たちは水なしには生きていけません。生命現象を司る機能分子のタンパク質がなくても生きていけません。体の中で、水はタンパク質を溶かす液体 の役割をするとともに、かなりの部分はタンパク質分子に強く結合した「水和水」として存在していて、この水和水がないとタンパク質は本来の機能を発揮でき ないことがわかっています。講義では、生命と水のかかわりについて、タンパク質科学の立場からお話ししたいと思っています。

15:15~16:30
超分子集合体科学研究室 松尾 貴史(まつお たかし)准教授
◆講演題目 生体機能と金属イオン
◆ 講義内容 生体内の反応の多くは、さまざまな金属イオンが媒介しています。生体内の金属イオンは、多くの場合、タンパク質などの生体分子に結合し、その場 の状況に応じて、性質がコントロールされています。本講座では、生体内における金属イオンの役割と性質の制御メカニズム、その知見を基にした人工金属タン パク質創成の研究取組みを紹介します。

10月27日(土)
13:45~15:00
生体適合性物質科学研究室 安藤 剛(あんどう つよし)准教授
◆講演題目 私たちの生活を豊かにするポリマー材料と合成技術
◆ 講義内容 今日、私達は様々なポリマー材料に囲まれて生活しています。日頃何気なく目にするものの多くに何らかの形でポリマー材料が用いられており、その 背後では常に新しい材料の開発が進められています。その材料開発にはポリマー合成技術の発展が欠かせません。本講座では、環境、エネルギー、医療などさま ざまな場面で利用されているポリマー材料を紹介し、その合成技術がどのように発展してきたかを最近の話題を交えて紹介いたします。

15:15~16:30
光情報分子科学研究室 中嶋 琢也(なかしま たくや)准教授
◆講演題目 光化学への招待
◆ 講義内容 光を用いる技術は私たちの生活を支える上でなくてはならない科学技術となっています。パソコンや携帯電話などのハイテク機器の製作プロセスだけ でなく、環境浄化や日用品などにも光の関わる技術が応用されています。光科学技術の多くは「光化学」の基礎の上に成り立っており、多くの分子が活躍しま す。「光化学スモッグ」としてマイナスイメージの強い「光化学」にスポットを当て、身の回りから未来の光化学技術まで紹介します。

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