奈良先端大 公開講座2013「ビッグデータが世界を変える、あなたに迫る超大規模データ」

2013/08/27

奈良先端科学技術大学院大学は、公開講座2013「ビッグデータが世界を変える、あなたに迫る超大規模データ」を開催いたします。
ICT(情 報通信技術)の進展により、私たちの生活を取り巻く様々なシステムが生成する多種多様な情報の量は急激に増加しつつあります。これには、生活だけでなく業 務で作成されたオフィスデータをはじめとして、検索エンジンで調べられるキーワードや動画配信サイトから提供されるマルチメディアデータ、ソーシャルネッ トワークサービス(SNS)でやり取りされるデータや定期券などのICカード情報や携帯電話の位置情報などのプライバシ情報が含まれたデータ、そして食品 流通とトレーサビリティなど、もはや領域が限定されるものではありません。今や、扱われる情報の大きさが、ペタバイトを超えてゼタバイトにまで広がりつつ あるのが現実です。そこで、今回の公開講座では本学情報科学研究科において進められている研究領域において、ビッグデータという視点から様々な最新技術に ついて紹介します。
つきましては、取材方よろしくお願いいたします。
また、別添のとおり開催概要をお送りいたしますので、併せて記事掲載方よろしくお願いいたします。

【日 時】 平成25年10月5日(土)、10月12日(土)、10月19日(土)、10月26日(土)
13時45分~16時30分

【場 所】 奈良先端科学技術大学院大学内 ミレニアムホール
(奈良県生駒市高山町8916-5、けいはんな学研都市)

【定  員】 400名(申込順)

【参加資格】 どなたでもご参加いただけます(要申込)。

【受 講 料】 無料

【申込方法】 本学ホームページからお申し込みください。

【申込締切】 平成25年9月11日(水)[必着]

【問い合わせ先・公開講座担当窓口】
 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
 教育研究支援部 企画総務課 広報渉外係
 〒630-0192 奈良県生駒市高山町8916-5(けいはんな学研都市)
 TEL : 0743-72-5026  FAX : 0743-72-5011
 E-mail :s-kikaku@ad.naist.jp

【奈良先端科学技術大学院大学 ホームページ】
URL : http://www.naist.jp/

【プログラム】
10月5日(土)
13:45~15:00
自然言語処理学研究室 松本 裕治(まつもと ゆうじ) 教授
◆講演題目 ビッグデータを支える言語処理
◆ 講義内容 インターネット上に存在する様々な情報の多くは文章という形を取っています。日本語や英語で書かれた大量の文をコンピュータによって解析、分析 し、有用な情報を取り出すことが可能になってきています。製品やサービス、世の中の出来事について書かれた人々の意見や評判を自動的に取り出すためにどの ような言語処理が必要か、また、どのような応用が可能になるか、事例を示しながらお話しします。

15:15~16:30
東京工業大学大学院情報理工学研究科 宮崎 純(みやざき じゅん)教授(元奈良先端大准教授)
◆講演題目 ビッグデータとデータマイニング
◆ 講義内容 ビッグデータと呼ばれるインターネット上の未整理の膨大な情報をうまく解析することで、売上の動向予測や新たな付加価値サービスの創出等に結び つけ、企業の収益を上げられたとの報告が多くなされ、大きな注目を浴びています。本講義では、ビッグデータの解析で最も重要な技術の一つであるデータマイ ニングを取り上げ、一見無秩序の膨大なデータから、データ内に潜む知識や法則を発見するための手法について幾つか紹介します。

10月12日(土)
13:45~15:00
大規模システム管理研究室 笠原 正治(かさはら しょうじ) 教授
◆講演題目 ビッグデータ計算基盤
◆ 講義内容 ビッグ・データ処理を支えるクラウド・コンピューティングでは、巨大なタスクが複数のサブタスクに分割され、非常にたくさんのサーバ・マシン群 で並列実行されます。本講座では、大規模なサーバ群で並列処理を行うときの性能劣化の原因として知られる「落伍者の問題」をシステム信頼性の観点から概説 し、処理性能を改善するタスク管理法、および性能改善効果と電力コストのトレードオフ関係について解説します。

15:15~16:30
計算システムズ生物学研究室 金谷 重彦(かなや しげひこ)教授
◆講演題目 食のビッグデータ
◆ 講義内容 ヒトは、動物であり、生物由来の食材を食べずに生きることができません。そこで、生物間相互作用として、ヒトと食材をとらえることができます。 本講義では、生物間相互作用としてのゲノム科学にもとづいて、複数の食材から構築された複雑系としてカレーならびに雑煮の構築原理を例に、ビッグデータバ イオロジーとしての料理の科学を紹介します。

10月19日(土)
13:45~15:00
インタラクティブメディア設計学研究室 加藤 博一(かとう ひろかず) 教授
◆講演題目 複合現実感とビッグデータ
◆ 講義内容 複合現実感とは現実世界と仮想世界の融合を目指す研究分野です。複合現実感技術が完成すると、我々はスマートフォン等の端末を使って情報を検索 する必要がなくなり、日常生活の中でその時々に必要とする情報が目の前にタイミングよく表れてきます。本講座では、この複合現実感を実現するためにどのよ うな研究が行われているのかを、ビッグデータに関連する問題に焦点を当て紹介します。

15:15~16:30
数理情報学研究室 池田 和司(いけだ かずし)教授
◆講演題目 ビッグデータと機械学習
◆ 講義内容 データが大量になると、そこに法則性を見出すことができます。個々のデータを見るだけではわからないその法則性は確率の言葉で表され、その性質 を明らかにし有効利用するのが機械学習です。本講座では、多くのデータを扱う確率統計の基礎を紹介するとともに、その性質を考える上で行列などの線形代数 が重要な役割を果たしていることを解説します。

10月26日(土)
13:45~15:00
ユビキタスコンピューティングシステム研究室 安本 慶一(やすもと けいいち)教授
◆講演題目 環境センシングとビッグデータ
◆ 講義内容 最近のセンサデバイスの小型・高性能化、センサを搭載したスマートフォンの普及によって、環境情報の取得が容易になってきました。一方で,セン シングした情報はそのままでは数値の羅列にすぎず、解析を行い役に立つデータを抽出しなければなりません。本講座では、センサデバイスとセンシング可能な 情報,センシング情報の収集法,データの解析法を概説し、スマートフォンによる交通状況の収集、スマートハウスにおける生活行動の収集等の応用研究を紹介 します。

15:15~16:30
情報基盤システム学研究室 猪俣 敦夫(いのまた あつお)准教授
◆講演題目 ビッグデータを支えるセキュリティ技術
◆ 講義内容 情報の漏洩や盗難は、いわゆる物理的盗難とは異なり一度でも起きてしまうと元の状態に戻すことはできません。このような情報を守る技術の1つが 暗号です。しかしながらビッグデータを取り巻く環境において、今やクラウドと呼ばれる大規模な計算環境は誰にでも容易に利用出来る状況にあります。これ は、攻撃者も同様です。すなわち、ハッカー達が暗号解読にクラウドを利用できることを意味します。そこで本講義では、今最も使われているRSA暗号の仕組 みとその解読手法について触れ、また遠隔操作ウィルス事件についても紹介し、我々が考えていくべき情報の守り方について言及します。

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