2015/12/18
【概要】
奈良先端科学技術大学院大学(奈良県生駒市、学長:小笠原直毅、以下「NAIST」)と日本IBM株式会社東京基礎研究所(東京都中央区、所長:福田剛志、以下「IBM東京基礎研究所」)は、平成27年12月に、コグニティブ・コンピューティング※1に特化した情報科学分野の組織的な連携と、長期的かつ継続的な相互協力による研究・技術の向上や人材育成を目的とした、包括連携に関する覚書を締結しました。
【背景】
NAISTは、奈良県生駒市高山町にある大学院だけの国立大学で、関西文化学術研究都市の中核的な機関として、情報科学・バイオサイエンス・物質創成科学の各先端科学技術分野について、研究・教育を行っています。
情報科学研究科では、情報科学やその関連領域における先端科学技術に係わる領域を対象に、新規性と独創性に重点を置いた最先端研究の拠点として、一専攻・三領域(情報科学専攻・コンピュータ科学領域、メディア情報学領域、システム情報学領域)の体制で、情報科学に関する知識の蓄積と創造に貢献するとともに、新産業分野の創成と開拓に取り組んでいます。特に、メディア情報学領域では、ヒューマンコンピュータインタラクション、音声言語処理、自然言語処理の3分野をベースとするコグニティブ・コンピューティングにおいて多くの成果を上げています。
本学とIBM東京基礎研究所間では、情報科学研究科の修了生が日本IBMに就職していることに加えて、特に言語処理分野の研究・開発において強い関連があります。 今後はこの覚書に基づき、コグニティブ・コンピューティングに関するテーマで学生をインターンとして派遣する教育連携をさらに強めていきます。また、具体的な研究テーマを設定し、共同研究契約に基づく研究連携を進める予定です。
【連携内容】
・コグニティブ・コンピューティング関連のテーマで学生をインターンシップの枠組みで派遣する教育連携を行います。博士後期課程学生と博士後期課程に進学希望の博士前期課程学生を対象とし、インターンシップによる人材育成の促進を目指します。
・自然言語・音声・画像処理、知能コミュニケーションなどの分野を含むコグニティブ・コンピューティング関連のテーマで共同研究を進めます。
【意義】
本学では、最先端の研究を推進するとともに、その成果に基づく高度な教育により人材を養成し、科学技術の進歩と社会の発展に寄与することを目的にしています。こうした世界有数の研究機関との連携は大学の研究活動にも有益な刺激を与えるものと考えております。
【用語説明】
※1 コグニティブ・コンピューティング
計算機型、プログラム実行型に次ぐ第3世代の認知型コンピューティング。大規模に学習し、目的を持って推論し、人と自然にかかわり合うシステムをコグニティブ・システムという。IBM Watsonが代表例。