2019/01/15
漫才台本自動生成機能を持つ「漫才ロボット」による
笑いの実証研究を医療現場で実施
奈良先端科学技術大学院大学は、大阪国際がんセンター、甲南大学と共同で、漫才台本自動生成機能を持つ「漫才ロボット」による、医療現場での笑いの実証研究を実施します。これまで甲南大学にて研究を行ってきた「漫才ロボット」が、がん患者を楽しませることが可能かを、ビデオ動画笑顔認識と自記式質問紙により調査を行います。
「漫才ロボット」はこれまで様々なメディアにも注目され、2018年には、M-1グランプリの予選にも参戦しました。この「漫才ロボット」(あいちゃん、ゴン太の2体)は、与えられた「お題」に関連するWebニュースに基づき、インターネットから様々な知識を取得して人工知能により漫才台本を数分間で自動生成し、漫才を演じることが可能です。本研究では、実際の医療現場において「漫才ロボット」が、身体的、精神的負担を強いられることも多いがん患者を笑わせることができるかを評価するとともに、現状の「漫才ロボット」の課題を明らかにし、実用化を視野に共同研究を進めます。
つきましては、関係資料を配付するとともに、下記のとおり記者発表を行いますので、是非ともご出席くださいますよう、よろしくお願いいたします。
記
<日 時> 平成31年1月21日(月)午後3時から午後4時30分
平成31年1月28日(月)午後3時から午後4時30分
※諸事情により、1月28日(月)の下記会場における取材および撮影はお受けしないこととなりました。
<場 所> 大阪国際がんセンター 1階 相談支援センター
〒541-8567大阪市中央区大手前3-1-69
<参加機関> 奈良先端科学技術大学院大学 研究推進機構
大阪国際がんセンターがん対策センター
甲南大学知能情報学部
<ご連絡事項>
・開催日当日、取材をご希望の報道関係者様は、事前にご連絡ください。
・テレビカメラの配置場所は、当日の先着順といたします。
・当日、会場では、音声ラインのご用意はできません。
・一般の方の取材は、受け付けておりません。
・取材希望がございましたら、恐れ入りますが下記までご連絡願います。
<当日取材の事前連絡先>
大阪国際がんセンター 事務局 広報企画グループ
TEL: 06-6945-1181(内線5121) 受付時間:平日9:00~17:30
<研究内容に関するお問い合わせ先>
奈良先端科学技術大学院大学 研究推進機構 ソーシャル・コンピューティング研究室
特任准教授 荒牧英治 TEL: 0743-72-6053 http://sociocom.jp
【別紙資料1】
漫才ロボットあいちゃんとゴン太のご紹介
- 漫才ロボットは、 その場でお題(キーワード)を与えると、インターネットからそのお題のニュース記事をピックアップして、そこから、さらにインターネットでそのニュースに関する様々な知識を取得し、人工知能(AI)の力で漫才台本を自動生成し、2体のロボットが漫才を演じます。
- 2体のロボットは、ボケ担当のゴン太と、ツッコミ担当のあいちゃんによるコンビです。
- 自動生成された漫才台本は、「つかみ」「本ネタ」「オチ」からなり、つかみは季節の挨拶をし、本ネタ部分は、言い間違えや過剰ボケ、ノリツッコミ、対立ボケや感情ボケ等が行われています。そして最後のオチでは、「なぞかけ」を自動生成します。
漫才ロボットの大きさはあいちゃんが1m、ゴン太が50cmのでこぼこコンビです。(スマホを搭載した小型の漫才ロボットもあります)
【別紙資料2】
漫才ロボットによる笑いの研究(UMIN000035499)
研究の概要 | |
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目的 |
漫才台本自動生成機能を持つ「漫才ロボット」が、がん患者を楽しませることが可能かを、 |
評価項目 |
主要評価項目:ビデオ動画を用いた笑顔認識による笑顔の回数と持続時間。 副次評価項目:自記式質問紙(WHO-5精神的健康状態表を一部改変)による精神的健康状態。 |
選択基準 | 大阪国際がんセンター受診がん患者(がん種は問わない) |
研究方法 |
同意を得られたがん患者に対し、「漫才ロボット」による即興漫才を鑑賞してもらいます。 鑑賞中はビデオ動画を撮影し、鑑賞後に自記式質問紙に回答してもらいます。 撮影したビデオ動画を用いて笑顔認識を行います。 1回につき10分程度を同日に3回行い、連続しない2日で計6回の動画撮影を行います(被験者は異なる)。 |
予定参加者 | 30人 |
目的
医療や介護における心のケアには、「笑い」と「癒やし」が必要であると言われています。甲南大学 知能情報学部では医療や介護の現場で人に笑いを与えることを目的として、「漫才ロボット」の研究開発を行っています。漫才ロボット(あいちゃんとゴン太の2体)は、「お題」を与えると、人工知能によりインターネットから様々な知識を取得して漫才台本を数分で自動生成し、漫才を演じることができます。本研究では、実際の医療現場において漫才ロボットが、身体的、精神的負担を強いられることも多いがん患者を笑わせることが可能かを評価するとともに、現状の漫才ロボットの課題を明らかにします。
研究対象者
大阪国際がんセンターで受診するがん患者が対象です。大阪国際がんセンターの診察券をお持ちの20歳以上の方で本人同意があれば、参加できます。
方法
侵襲を伴わない介入研究です。「漫才ロボット」による即興漫才を鑑賞し、鑑賞前から後までビデオ動画を撮影し、鑑賞後に自記式質問紙に回答します。がん患者5人程度からなるグループ毎に「お題」(テーマ)を出していただき、「漫才ロボット」が数分で漫才台本を自動生成して漫才を演じます(2~3分程度)。
研究組織
研究責任者:
大阪国際がんセンター がん対策センター 所長 宮代 勲
共同研究責任者:
甲南大学 知能情報学部 教授 灘本 明代
奈良先端科学技術大学院大学 研究推進機構 特任准教授 荒牧 英治