研究成果 2021/09/03
メムキャパシタと自律局所学習を用いるニューロモーフィックシステムを開発
超コンパクト・低電力消費の人工知能への応用を期待
ポイントと概要
・メムキャパシタと自律局所学習を用いるニューロモーフィックシステムを開発した。従来の人工知能と比べると、劇的なコンパクト化・低電力消費が期待できる。
・メムキャパシタとして、強誘電体キャパシタを用いることで、構造を単純なものとし、薄膜の液相プロセスを用いることで、作製プロセスも単純なものとしており、将来の高集積化が容易となる。DC電流が無く、過渡電流も減り、電力消費が大幅に減る。
・自律局所学習として、メムキャパシタのヒステリシス特性を上手く利用することにより、結合強度の制御回路など無しに、ニューロモーフィックシステムに学習させることができ、やはり将来の高集積化が容易となる。
研究の成果は、「IEEE Transactions on Neural Networks and Learning Systems」(Impact Factor=10.451)に掲載。
龍谷大学先端理工学部電子情報通信課程の木村睦研究室では、奈良先端科学技術大学院大学・ 北陸先端科学技術大学院大学との共同研究で、メムキャパシタと自律局所学習を用いるニューロ モーフィックシステムを開発しました。
メムキャパシタは、印加電圧の履歴によりキャパシタンスが変化する回路素子で、本研究では、 強誘電体キャパシタを用いることで、構造を単純なものとし、Bi3.25La0.75Ti3O12 (BLT)の薄膜の液相 プロセスを用いることで、作製プロセスも単純なものとしており、将来の高集積化が容易となり ます。従来の大規模な模倣回路やメモリスタ(可変抵抗素子)の代わりに、メムキャパシタ(可 変容量素子)を用いるため、DC 電流が無く、過渡電流も減り、電力消費が大幅に減ります。
また、自律局所学習は、単一素子が自分自身の駆動条件のみで特性を変化させる学習方式であ り、やはり将来の高集積化が容易となります。従来のシナプス素子の結合強度の制御回路など無 しに、メムキャパシタの電圧履歴のキャパシタンス特性を上手く利用することにより、メムキャ パシタだけで、ニューロモーフィックシステムに学習させることができます。
従来の人工知能と比べると、劇的なコンパクト化・低電力消費が期待できます。
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問い合わせ先
<研究に関すること>
- 龍谷大学 先端理工学部 電子情報通信課程・教授 木村 睦
E-mail:mutsu[at]rins.ryukoku.ac.jp
<報道に関すること>
- 龍谷大学 研究部(瀬田) 担当者 佐藤 和叶
Tel:077-543-7548 E-mail:setaken[at]ad.ryukoku.ac.jp - 奈良先端科学技術大学院大学 企画総務課 渉外企画係
TEL:0743-72-5063 FAX:0743-72-5011
E-mail:s-kikaku[at]ad.naist.jp
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