2022/10/20
圧力駆動型ガラス発電機
-微細ガラスフィルターを用いた小型環境発電機の開発-
概要
理化学研究所(理研)生命機能科学研究センター集積バイオデバイス研究チームの田中陽チームリーダー(研究当時)、ヤリクン・ヤシャイラ客員研究員(奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科物質創成科学領域生体プロセス工学研究室准教授)、東京電機大学未来科学部ロボット・メカトロニクス学科の釜道紀浩教授らの共同研究グループは、ガラスと水の電気的相互作用を利用し、圧力で水を流すことで電力発生可能な圧力駆動型の小型発電機を開発しました。
本研究成果は、人間の歩行などのゆっくりした動きを用いた環境発電に利用でき、身の回りの電子機器の電源として役立つと期待できます。
IoT[1]の普及に伴う膨大な数の情報端末やセンサーへの給電手段として、熱や光、圧力などから電力を得る環境発電[2]技術が注目されています。中でも、圧力は比較的大きな電力を生み出せますが、歩行のようなゆっくりした繰り返し圧力(振動)に対しては発電効率がやや悪いという課題があります。
今回、共同研究グループが開発した発電デバイスは、負に帯電したガラス表面に水を流してイオンを分離させることで、遅い動きでも水が流れ続ける限り発電が持続します。さらに、多数の流路が集積する微細ガラスフィルターを作製することで、圧力をかけても壊れにくく、かつ大きな電力を得られるようにし、実際にLED点灯やファンの回転、通信などに使えることが実証されました。
本研究は、科学雑誌『Scientific Reports』オンライン版(10月20日付:日本時間10月20日)に掲載されます。なお、理研は「発電デバイスおよび発電方法」として特許を出願しています。
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問い合わせ先
<研究に関すること>
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理化学研究所 生命機能科学研究センター 集積バイオデバイス研究チーム
チームリーダー(研究当時) 田中 陽
客員研究員 ヤリクン・ヤシャイラ -
東京電機大学 未来科学部 ロボット・メカトロニクス学科
教授 釜道 紀浩
<生命機能科学研究センターに関すること>
- 理化学研究所 生命機能科学研究センター センター長室
報道担当 山岸 敦
<報道に関すること>
-
理化学研究所 広報室 報道担当
Tel: 050-3495-0247
Email: ex-press [at] ml.riken.jp -
東京電機大学 総務部 企画広報担当
Email: keiei [at] jim.dendai.ac.jp -
奈良先端科学技術大学院大学 企画・教育部企画総務課 渉外企画係
Email: s-kikaku [at] ad.naist.jp
※上記の[at]は@に置き換えてください。