生命の本質を理解するための発見を行うことの楽しさと自信を与えてくれた
鈴木 孝幸Takayuki Suzuki
大阪公立大学 大学院理学研究科 生物学専攻 教授
2004年 後期博士課程修了(バイオサイエンス研究科 細胞生物学専攻)
2022年4 月より大阪公立大学大学院理学研究科生物学専攻の教授として「発生生物学」研究室を主催しています。
私は入学当時「手足の発生」を研究したいとコンタクトを取り動物代謝調節学講座の小椋利彦助教授に師事を受けました。研究室のメンバーは大変アクティブで毎日日付が変わっても、実験室でお互いの研究の議論をしていました。学生同士でアイディアを出し合って自由に研究が出来る環境は、大学に対する応用重視の機運が高まる中、私に自然科学における生命の本質を理解するための発見を行うことの楽しさと、それに対するブレなくても良い自信を与えてくれました。また研究室間の交流も活発で、私は安田國雄教授が主催する分子発生生物学講座前の廊下に自分の研究のポスターを貼りに行って意見を聞いたり、論文セミナーにも参加させて頂いていました。博士論文の公聴会では山中伸弥先生が副審査委員のメンバーで、研究の根幹に関わるクリティカルな質問を頂き返答が大変であったのを鮮明に覚えています。
卒業後、私はすぐにポスドクとして渡米し、現在に至るまで発生生物学の研究をしています。現在は、「脊椎動物の骨格パターンの多様性が生み出された分子機構の解明」を目指し、近年では人類が長い間興味の対象であった、「ヘビの胴体が長い謎」を、発生生物学的に解明しました。
奈良先端大は、例え前例が全くなくてもやりたい事を本気でやりたいと伝えれば、それに向かって教員と研究室のメンバーが全力でサポートしてくれる素晴らしい大学であると思います。後輩の皆さんも良い研究環境の中で思いっきり楽しんで研究活動をされて下さい。最後にこれまで私を支えて下さいました当時の先生方、研究室のメンバーに感謝致します。