バイオサイエンス領域
移植後の腫瘍形成を阻止できるiPS細胞の新たな重要因子を発見~残存する未分化iPS細胞を除去し、再生医療で懸念される腫瘍化のリスクを減らす技術開発が可能に~
奈良先端科学技術大学院大学(学長:塩﨑 一裕)先端科学技術研究科 バイオサイエンス領域 幹細胞工学研究室の印東 厚助教、栗崎 晃教授らのグループは、ES細胞やiPS細胞が持つ多能性に不可欠なEPHA2というタンパク質を新たに発見しました。このタンパク質は細胞膜に埋め込まれて存在し、一部が細胞の外側に突き出しています。この細胞の外に出ている部位を指標にすると、高い効率でES細胞を捕捉することができることが分かりました。この特性を利用して、移植細胞に残存した多能性幹細胞を取り除くことで、移植後の腫瘍化の発生率を抑えることに成功しました。この発見は将来の再生医療の安全性を高める技術に応用できると期待されます。
詳細はこちら:https://www.naist.jp/pressrelease/240531.pdf