研究成果 2017/10/06
情報科学研究科 数理情報学研究室の池田和司教授、久保孝富特任准教授、Jaymar Soriano(博士後期課程学生)らは、脳の局所的な温度を下げることで、てんかん発作の抑制効果を期待できる局所脳冷却の作用メカニズムについてシミュレーションを通じて新たな見解を得ました。局所脳冷却は頭蓋内に冷却装置を留置しててんかん発作を引き起こす脳部位を直接冷却し、それによって発作を抑制する治療法です。ラットでの実験データをもとに神経細胞群をモデル化し、シミュレーションを行ったところ、神経細胞の結合部分だけでなく、神経細胞の電気的興奮(発火)に関わる過程にも冷却の効果が現れるという条件によってはじめて局所脳冷却効果への感受性の違いが再現されることが分かりました。これは、山口大学・熊本大学との共同研究によって得られた成果です。
本研究成果は、国際オンライン科学誌『PLOS Computational Biology』(【プレス解禁日時:日本時間2017年10月6日(金)午前 3時00分】)に掲載されます。また、論文掲載、本プレスリリースと同時にPLOS Computational Biologyからのプレスリリースも予定されています。そちらのプレスリリースについては、https://www.eurekalert.org/emb_releases/2017-10/p-sab092817.php にて掲載予定となっております。