〔プレスリリース〕TGF-βシグナルが多様な生命現象を制御できる仕組みの一端を解明 ~転写因子SMAD2/3による補因子選択機構~

研究成果 2018/03/28

 バイオサイエンス研究科幹細胞工学研究室の栗崎晃教授、東京大学大学院農学生命科学研究科の宮園健一特任准教授らの研究グループは、X線結晶構造解析法と様々な分析手法を組み合わせることにより、SMAD2/3による補因子選択機構を明らかにしました。SMAD2/3はその分子表面上に小さな疎水性領域(疎水性パッチ)を複数持ち、SMAD2/3の補因子はその疎水性パッチを結ぶように結合します。その疎水性パッチの組み合わせにより、多くの補因子がSMAD2/3に対し、競合的または共同的に結合することが考えられます。

 TGF-βシグナル伝達系は、ガンや線維症といった重篤な疾病に関与しています。SMAD2/3による補因子選択機構を理解し、制御することが可能となれば、それらの疾病の新規治療薬の開発につながると期待されます。

 この研究成果は、3月27日の「Science Signaling」に掲載されました。

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