先端技術を活かして起業や新規事業創出に必要な知識やスキルを習得
松永 赳尭Takeaki Matsunaga
ヤマハ株式会社 音響事業本部 基盤技術開発部 クラウド開発グループ
2021年 前期修士課程修了
先端科学技術研究科 情報科学領域 大規模システム管理研究室
現在、私はネットワーク機器を管理するクラウドサービスを開発しています。仕事の幅はとても広く、プロダクトの設計・実装・運用を主務としながらも、お客様や販売代理店様と意見交換をすることもしばしばです。ユーザーとの距離が近いので、ビジネス上の課題解決にどう貢献できるのかを意識しながら、開発に取り組んでいます。
私は学部生のころは文学部に所属していました。奈良先端大に進んだ当時はコンピューター・サイエンスの知識はあまりありませんでした。しかし、基礎的な講義が充実していたことや、大規模システム管理研究室の先輩や同期が親切に助けてくれたことでなんとかやっていけました。研究はブロックチェーンのコンセンサス・アルゴリズムをテーマとし、笠原正治教授にご指導いただきました。日本語の資料はないため、毎日英語の資料と戦ったのを覚えています。最終的には、筆頭著者の査読付き英語論文が採択されるところまで成果を出すことができました。英語の資料を粘り強く読んで課題解決をする能力は、現在の仕事でとても役立っています。
奈良先端大の魅力は研究に打ち込める環境だけではありません。特に印象に残っているのはイノベーション人材育成プログラム「GEIOT」です。このプログラムにより、先端技術を活かして起業や新規事業創出に必要な知識やスキルを習得しました。仲間とピッチやハッカソンに参加したのがいい思い出です。在学中に起業するところまではいきませんでしたが、修了後にも連絡を取り合う仲間や指導者と出会えたことはとても幸せです。
こうしてOBOG紹介を書いていると、奈良先端大には「自分の限界を広げてみよう(outgrow my limits)」と思わせてくれる仲間がたくさんいたことに気づきました。楽なことばかりではありませんでしたが、振り返ってみれば自分の新たな強みを形作る期間でした。後輩の皆さんも思い切り大学院生活を楽しんでください。最後にこれまで私を支えてくださった皆様と奈良先端大に感謝します。
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