安心して新しい研究分野にチャレンジできる場所
桃野 浩樹Hiroki Momono
米子工業高等専門学校 総合工学科 電気電子部門 講師
2020年度 博士後期課程修了
物質創成科学研究科 凝縮系物性学研究室
私は2020年から米子工業高等専門学校の教員として、中学校を卒業したばかりの15歳から22歳までの幅広い年齢の層の学生に対して、教育、研究や学生指導を行っています。研究では地域のニーズに即した研究に着目し、機械学習や水中ドローンを用いて海洋ごみを自動で回収するロボットを開発しています。また、日本最大級のフラワーパークである「とっとり花回廊」と共同で、AIを用いたLEDイルミネーションを実施し、地域の活性化を目指しています。
私は高専の専攻科時代に奈良先端大のオープンキャンパスで世界唯一の装置である二次元素表示型光電子分光装置(DIANA)や、世界最大級の試料作製複合評価システムに感銘を受け、大門寛教授の下で研究したいと強く思ったことを鮮明に覚えています。しかし、私がこれまで学んできた分野とかけ離れていたため、新しい研究を始めることに不安を抱いていましたが、出身学部にとらわれない奈良先端大ならではの教育・サポート体制が充実しており、様々な分野のバックグラウンドを持った学生が多く活躍されていることは,私にとって大変心強く感じました。博士後期課程在学中のほとんどの日は、大型放射光施設Spring-8に滞在し、研究室仲間のそれぞれのバックグラウンドを活かして装置開発に日々励んでいたのは一生の思い出であり、その経験は現在の職場でも大変活かされています。また、大門教授からは装置開発の考え方や問題解決方法など様々な視点からの丁寧なご指導があり、さらに、やりたいことを全力でサポートしていただけたことで、充実した大学院生活を送ることができました。大学院修了後においても、お世話になった奈良先端大の先生方との関係は続いており、共同で原子配列や電子構造の観測ができる装置を開発しています。
最後に、奈良先端大は安心して新しい研究分野にチャレンジできる場所です。最先端研究環境の下で自分のやりたいことに全力で取り組み、有意義な大学院生活を送ってください。
とっとり花回廊LEDイルミネーションの様子