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事例紹介
社会実装の事例
クラフトビール
2024年研究推進機構 高木博史特任教授
研究推進機構 発酵科学研究室 の高木博史特任教授、西村明特任准教授は、本学の池エリアに生息する植物から新しい酵母Saccharomyces cerevisiae株(ADH837株) の単離に成功しました。
ADH837株を用いて、共同研究先のテンフィールズファクトリー株式会社(京都府精華町)がエールビールを試作し、一般的な市販エールビールとの比較分析を行いました。その結果、ビール中のオフフレーバーが減少し、バナナの香りの主な成分である酢酸イソアミルなどのフレーバーが増加していました。また、ストレスを軽減する作用が知られているγ-アミノ酪酸(GABA)や食品から摂取する必要のある必須アミノ酸などが多く含まれていました(GABA:3.3 倍、リジン:8.3 倍、BCAA:1.5~2.0 倍、アスパラギン酸:4.3 倍)。これらのことから、ADH837 株によって特徴的かつ健康イメージを付与したクラフトビールを醸造できることが判明しました。
AADH837を用いて醸造されたクラフトビールは、テンフィールズファクトリー株式会社が大阪府内限定で販売している「オオサカビール」の新たなラインナップとして販売されています。
泡盛 ZANPA島バナナ酵母
2024年研究推進機構 高木博史特任教授
研究推進機構 発酵科学研究室 の高木博史特任教授、磯貝 章太特任助教は、株式会社バイオジェット(うるま市)との共同研究により、沖縄で栽培される島バナナの茎から新しい酵母35a14を単離し、その特性を解析するとともに、バナナの主要な香り成分である酢酸イソアミルを高生産する菌株BNNL80の育種に成功しました。
この菌株を用いて醸造した泡盛(沖縄の蒸留酒)を醸造することで、バナナの香りを含むフルーティーで豊かな風味を特徴とする品質の高い泡盛が比嘉酒造から商品化されました。
論文:Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 87, 240-244 (2023)
光るコチョウラン
2024年デジタルグリーンイノベーションセンター 加藤晃教授
光るコチョウランは、ブラックライトをあてると、植物全体が黄緑色の蛍光を発するコチョウランで、デジタルグリーンイノベーションセンターの加藤 晃教授らの研究グループが開発した植物において異種タンパク質の発現量を増強させる翻訳エンハンサーが導入されています。
国立大学法人千葉大学環境健康フィールド科学センターが、NECソリューションイノベータ株式会社の開発した蛍光遺伝子および加藤教授らが開発した翻訳エンハンサーをコチョウランに導入して開発しました。翻訳エンハンサーは、蛍光強度の増大に寄与しています。
2024年2月に開催された「世界らん展2024 -花と緑の祭典-」で、展示の目玉の一つとして、世界初公開されました。
青いキク
2023年デジタルグリーンイノベーションセンター 加藤晃教授
2023年、サントリーフラワーズ(株)が、北米での販売を発表した、花弁が青いキクには、デジタルグリーンイノベーションセンターの加藤 晃教授らの研究グループが開発した植物において異種タンパク質の発現量を増強させる翻訳エンハンサーが導入されています。
翻訳エンハンサーは、青色発色の増大に寄与しています。
泡盛 shimmer#4 白百合イヌイ 101ハイパー酵母仕込
2023年研究推進機構 高木博史特任教授
研究推進機構 発酵科学研究室 の高木博史特任教授らは、株式会社バイオジェット(うるま市)との共同研究により、の共同研究によって開発した新しい泡盛酵母(101H酵母)で醸造した泡盛が、南島酒販株式会社(西原町)のshimmerシリーズの中で、株式会社池原酒造(石垣市)から「shimmer#4 白百合イヌイ 101ハイパー酵母仕込」の製品名で商品化されました。
101H酵母は、高木教授が保有する育種技術を活用して親株(泡盛101号酵母)から取得した酵母で、親株より吟醸香の主要成分である酢酸イソアミルの含量が高く、泡盛にフルーティーな風味を付与できる特徴があります。101H酵母で醸造した泡盛としては、2016年の新里酒造 「ハイパーイースト101」に続く第2弾です。また、「shimmer」は沖縄の方言で「泡盛」を意味し、英語では「shimmer=煌めき」という意味があります。泡盛の輝かしい発展を願う思いが込められた南島酒販株式会社のshimmerシリーズの中でも、本商品はアジア最大の酒類品評会である「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2023」にて金賞を受賞しました。
クラフトビール みみなしやま
2022年バイオサイエンス領域 高木博史教授
バイオサイエンス領域 ストレス微生物科学研究室の高木博史教授、西村明助教は、ゴールデンラビットビール社(奈良市)との共同研究により、バラの主要な香り成分(フェネチルアルコール)を多量に産生する新しいビール酵母の育種に成功しました。
この新しいビール酵母を用いてクラフトビールを醸造することで、飲み口がよく、コクのある香り豊かなエールビールの商品化が実現しました。この商品化によって国の名勝「大和三山」にちなんだ3種類のクラフトビールが完成しました。
クラフトビール うねびやま
2022年バイオサイエンス領域 高木博史教授
バイオサイエンス領域 ストレス微生物科学研究室の高木博史教授、西村明助教は、ゴールデンラビットビール社(奈良市)との共同研究により、古都の歴史を伝える「ならまち」エリアからビール醸造に適した「蔵つき酵母」の選抜に成功しました。
また、この新しい天然酵母を用いてクラフトビールを醸造することで、酵母独自の穏やかな味わいとふくよかで軽い口当たりのホワイトエールビールの商品化が実現しました。
植物で異種タンパク質を高発現させる技術
植物由来COVID-19ワクチンにも活用~
2022年デジタルグリーンイノベーションセンター 加藤晃教授
デジタルグリーンイノベーションセンターの加藤 晃教授らの研究グループは、Medicago Inc.、田辺三菱製薬株式会社と共同研究を行い、植物において、異種タンパク質の発現量を増強させる、翻訳エンハンサーを開発しました。
本学は、この成果に関する権利をMedicago社に譲渡し、この成果は、Medicago社において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防を目的とする、植物由来COVID-19ワクチンの生産に用いられ、生産効率の向上に役立っています。
クラフトビール かぐやま
2021年バイオサイエンス領域 高木博史教授
バイオサイエンス領域 ストレス微生物科学研究室の高木博史教授、西村明助教は、ゴールデンラビットビール社(奈良市)との共同研究により、甘味のあるアミノ酸で、醸造環境における酵母の発酵力向上が期待できる「プロリン」を多く含むビール酵母(NP383株)の育種に成功しました。
また、この新しいビール酵母を用いてクラフトビールを醸造することで、独自の穏やかな味で口あたりが軽いエールビールの商品化が実現しました。
無細胞タンパク質合成試薬
2021年デジタルグリーンイノベーションセンター 加藤晃教授
デジタルグリーンイノベーションセンター(先端科学技術研究科)の加藤晃教授の研究グループは、NUProtein株式会社(徳島県徳島市)との共同研究により、無細胞タンパク質合成系に適した翻訳エンハンサーを見出しました。
そして、この翻訳エンハンサーを導入した無細胞タンパク質合成用試薬(無細胞タンパク質合成オールインワンキットBCF5100)が、NUProtein株式会社から販売開始されました。
無細胞タンパク質合成系は、広範な研究分野での利用が期待されていますが、真核生物あるいは大腸菌等の大量培養による合成と比較すると、一般的にタンパク質の合成効率が劣るとされています。本共同研究では、タンパク質合成に用いるmRNA配列、特にmRNAの5’UTRにおける翻訳促進活性を有するエンハンサー配列の最適化を行うことにより、GFPを生産させた場合、従来品に比べ3倍程度の収量向上が得られました。
泡盛 尚 KAMIMURA
2020年バイオサイエンス領域 高木博史教授
バイオサイエンス領域 ストレス微生物科学研究室の高木博史教授らが、株式会社バイオジェット(沖縄県うるま市)との共同研究により開発した、新しい酵母(ハイビスカス酵母T25株)を用いて醸造した泡盛が有限会社神村酒造(沖縄県うるま市)から商品化されました。
T25は、従来の泡盛酵母101株と異なり、ハイビスカス花から分離した酵母(ハイビスカス酵母)を親株として育種・選抜され、さらに香り高い泡盛を作り出す特徴を持っています。
T25株については、全ゲノム解析などにより、親株からの変異点、吟醸香の元となるロイシン・酢酸イソアミルの高生産メカニズムを明らかにし、学術論文にも発表しています。
商品名:尚 KAMIMURA(詳細はこちら)
泡盛 はなはな ハイビスカス酵母仕込み
2016年バイオサイエンス研究科 高木博史教授
バイオサイエンス研究科 ストレス微生物科学研究室の高木博史教授らが、株式会社バイオジェット(沖縄県うるま市)と共同研究を行い開発した、新しい酵母(ハイビスカスC14酵母)を用いた泡盛を神谷酒造所(沖縄県島尻郡八重瀬町)から商品化されました。
ハイビスカスC14酵母は、沖縄のハイビスカスから採取した酵母を親株として、高木教授が保有する育種技術を応用し選抜した酵母です。
泡盛 HYPERYEAST101
2016年バイオサイエンス研究科 高木博史教授
バイオサイエンス研究科ストレス微生物科学研究室の高木博史教授らが、株式会社バイオジェット(うるま市)、琉球大学と共同研究を行い開発した新しい泡盛酵母(101H酵母)を用いた泡盛を、新里酒造(沖縄市)から商品化「HYPERYEAST101(ハイパーイーストイチマルイチ)」されました。
101H酵母は、高木教授が保有する育種技術を応用して親株(泡盛101号酵母)から取得した酵母で、親株より芳香成分が強く、フルーティーな風味を引き出せる特徴があります。
BLE搭載マルチセンシングボード SenStick
2016年情報科学研究科 ユビキタスコンピューティングシステム研究室 荒川 豊准教授
情報科学研究科 ユビキタスコンピューティングシステム研究室の荒川 豊准教授らが、Matilde Inc.(渋谷区)と共同研究を行い開発した、SenStick(BLE搭載マルチセンシングボード)が商品化しました(2017年1月初旬出荷予定)。
SenStickには、8種類のセンサが搭載されており、公開されているiOS/Android向けのアプリケーションやNode.jsのライブラリを用いることで、簡単にデータ計測が可能になります。
また、ボタン電池駆動ではなく、一般的なLiPoバッテリを採用しており、1回の充電で24時間以上(105mAhとして)のセンシングが可能です。さらに一般的なBLEセンサと異なり、大容量フラッシュメモリ(32Mバイト)をボード上に実装しているため、スマートフォン無しで連続ロギングが可能です。小型かつスティック型であることから、メガネやお箸、杖といった細長いモノや小さいモノや日常生活における様々なモノをIoT化するのに適しています。