奈良先端科学技術大学院大学 研究推進機構 産官学連携推進部門

お知らせ

2022/06/28 お知らせ 【開催案内】第35回奈良先端大産学連携フォーラム「未来社会への提案 vol.2~データ駆動型サイエンスによるアプローチ~」(2022/7/29)

このたび、国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学は第35回奈良先端大産学連携フォーラムを開催することとなりました。
本学においては、平成14年度より本フォーラムを開催しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により令和2年度と令和3年度の開催を見送っておりました。新型コロナウイルス感染症の影響が落ち着いてきました今年度は、令和元年度より始めましたテーマ「未来社会への提案」の第二弾として、データ駆動型サイエンスによるアプローチを紹介して参ります。
ご多用中とは存じますが、多数のみなさまにご参加くださいますようお願い申し上げます。

・開催日時:令和4年7月29日(金)13:00~14:00[12:30~受付開始]
・場  所:グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)10階会議室1003
     (大阪府大阪市北区中之島5丁目3-51)
      ※オンライン(Zoom)でのリアルタイム配信も行います。
      ※オンサイト(グランキューブ大阪)またはオンラインいずれの場合も参加費無料
・定  員:グランキューブ大阪(オンサイト)での参加は120名まで
      (申込先着順で定員になり次第、締め切らせていただきます。)

プログラム
・開会の挨拶[13:00~13:05]
奈良先端科学技術大学院大学 理事・副学長 太田 淳

・研究紹介講演[13:05~13:55]
『データ駆動型サイエンスが導く研究・開発のパラダイム変革』
データ駆動型サイエンス創造センター センター長 船津 公人

(講演要旨)
データ駆動型化学とはデータに語らせる手段である。世界的に急速にデータ駆動型化学に注目が集まるとともに、それにもとづく様々な研究の方法論の提案と成果が随所で報告されている。所望の物性や機能を持つ材料や分子を得たいと考えると、それはまず「何をつくるか」から始まる。そして「それをつくっても良いか」という問いへと続く。画期的な機能性化学物質を早期に市場投入し、国際競争力を確保するためには、こうした安全性評価プロセスの加速化も重要となる。近年の新規化学品開発へのマテリアルズインフォマティクスの積極的応用により多くの候補材料が提案されるようになったが、合成研究などの具体的作業に着手する前にこれらの候補の安全性スクリーニングを迅速に実施することで、有望な化学品の開発間口を広くとることが可能となる。

この安全性評価を経た後は「それをどうつくるか」に移る。合成経路設計が該当する。そのあとは「それはできたか」で生成物を確認する構造解析となる。ここまでくると「製品としてどうつくるか」が課題となる。安定した品質で目的の製品を製造するには、製造、分離、精製などの化学プロセスのリアルタイム監視と迅速なプロセス制御が求められる。これには計測インフォマティクスが活躍する。こうして製造された製品は世の中に出ていくが、いずれ使用済みとなり廃棄される。

ここで必要となる概念は、「どう物質循環させるか」である。これは廃棄物の概念を捨ててこれらの回収品(未利用資源とでも呼ぶことにしよう)をどのように物質循環サイクルに乗せてゼロエミッションを実現するかという問いである。ここでも未利用資源の量とその物質変換技術、そして再生品利用のニーズを組み合わせるデータシミュレーションが活躍する。その結果は物質リサイクルやカーボンニュートラルを目的に組み入れた次の材料設計や反応設計でも積極的に利用できる制約情報となる。このサイクルを図にまとめた


データ駆動型化学を通して我々はデータに語らせる術を得つつある。しかし、データに語らせるには我々研究者の学術的および社会的な視点からの価値観、つまり何のために何をしたいのかという思想性も同時に求められている。研究・開発のやり方が変わる中で、データおよび手法を操る人の見識のパラダイムシフトも大切になってくる。

・閉会の挨拶[13:55~14:00]
奈良先端科学技術大学院大学支援財団 専務理事 増田 康浩

※14:30より引き続き同会場にて、公益社団法人関西経済連合会・関西イノベーションイニシアティブ主催の「DXオープンイノベーションフォーラム」が開催されます。本学発のベンチャー企業からもシーズ紹介させていただきますので、是非、ご参加下さいますようお願いいたします。(別途、お申込みが必要です。)
URL:https://questant.jp/q/I17JJIK0


◎参加ご希望の方は、申込書により、FAXまたはメールにてお申し込み下さい。
参加申込書 ≪申込締切:令和4年7月25日(月)≫

  

◎本フォーラムの案内チラシ
フォーラムチラシ

【お問い合わせ先】
公益財団法人 奈良先端科学技術大学院大学支援財団 企画事業部
TEL:0743-72-5810 FAX:0743-72-5819 Mail:shimo@science-plaza.or.jp
URL:http://www.science-plaza.or.jp


  <前回(令和元年度)の様子>
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