URAとは?
URA (University Research Administrator)は、大学全体を見据えた全体最適かつ長期的視点で研究戦略を立案し、それらに基づき研究体制・環境を整備し、また研究成果を世界に発信するための新しい職種です。大学では教員や事務職員をつなぐ“第3の職種” の1つと言われ、戦略立案から競争的研究資金の獲得や研究プロジェクトの進捗管理まで、大学の経営陣と研究者を幅広く支援します。
アメリカのRA をモデルにURA は構想されましたが、アメリカとはまた違う文化で、大学を取り巻く環境も異なるため、日本オリジナルのURA 像はまだ模索中の状況にあります。さらに、現在URA を導入している各大学においても、大学によってURA に求める業務の内容はそれぞれ異なると言われます。以下は2013年度科学技術人材養成等委託事業「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備(スキル標準の作成)」において、東京大学によって取りまとめられたURA の業務内容です。
(※スキル標準:URAの業務領域・内容について明らかにし、必要とされる具体的な知識・能力等を示したもの)
(1) 研究戦略推進支援業務
- ①政策情報等の調査分析
- ②研究力の調査分析
- ③研究戦略策定
(2) プレアワード業務
- ①研究プロジェクト企画立案支援
- ②外部資金情報収集
- ③研究プロジェクト企画のための内部折衝活動
- ④研究プロジェクト実施のための対外折衝・調整
- ⑤申請資料作成支援
(3) ポストアワード業務
- ①研究プロジェクト実施のための対外折衝・調整
- ②プロジェクトの進捗管理
- ③プロジェクトの予算管理
- ④プロジェクト評価対応関連
- ⑤報告書作成
- ①教育プロジェクト支援
- ②国際連携支援
- ③産学連携支援
- ④知財関連
- ⑤研究機関としての発信力強化推進
- ⑥研究広報関連
- ⑦イベント開催関連
- ⑧安全管理関連
- ⑨倫理・コンプライアンス関連
(4) 関連専門業務
(※文部科学省『平成25年度科学技術人材養成等委託事業「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備(スキル標準の作成)」成果報告書』(平成26年5月、国立大学法人東京大学)より)