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NIMATIL MABARROH

物質創成科学領域 物性情報物理学 松下研究室 博士後期課程1年

出身:インドネシア・バンテン州

学部での研究内容:巨大磁気抵抗効果を用いたバイオセンサ標示としてのマグネタイトナノ粒子

大学院での研究内容:人工造形された3次元Siファセット・ライン構造の電子状態

NAISTに入るまで

私はインドネシアのガジャマダ大学の数学・自然科学部物理学科を修了しました。磁気センサーに応用するための磁性ナノ材料の研究を行っています。有害廃棄物の削減や余分な化学物質の使用を抑えることを目的に、天然植物成分を添加した磁性ナノ材料を作製していて、この材料をバイオセンサに応用しています。研究では巨大な磁気抵抗センサーを使用しますが、残念ながらこの設備は自作できません。修士課程の学生であったとき、博士号を取得したいという強い意欲があったのですが、高度な設備を使って研究を継続するためには留学する必要がありました。日本の大学は、学ぶことの限界を打破する先進的な技術を提供してくれます。進学先を検討するなかで、私はNAISTに出会いました。

NAISTは私が以前在籍していたガジャマダ大学と非常に良い関係にあります。NAISTはインドネシアではよく知られた大学ですし、修士課程の指導教授も、NAISTは日本の偉大な研究機関の一つであると言っていました。そこでプレ・スクリーニングプログラムに参加することにしました。この特別なプログラムでは、各研究室の研究テーマや教授について、また奨学金について、より多くの情報を得ることができます。

一般的に、インドネシアの学生が日本の大学に出願する場合、独自に教授を探し、何度もメールを送り、その返信を待つなど、入学までにいくつかのステップがあると聞きます。しかし、NAISTではプログラムを通して教授とフランクにコミュニケーションをとることができ、もし自身がその研究室に合わないと考える場合は、別の研究室を検討することもできます。

NAISTにとって私はインターナショナルな学生で、またムスリムであることについて、どのように受け入れられるのか心配がありましたが、プレ・スクリーニングプログラムに参加して、NAISTは留学生を歓迎していると感じました。NAISTに進学すれば、様々なバックグラウンドを持つ多くの人々と出会い、より多くのことを学ぶことができると考えました。修士課程を修了したその月に、事前審査と国費留学生の審査に合格したとの連絡がありました。おかげで日本へ出発するまでの待ち時間を無駄にしなくて済みました。入学までの約半年間は、研究室の助手として活動し、出発の準備をしながら研究活動を続けました。

文部科学省の国費留学生になるための選抜では、インドネシアだけでなく東南アジアの国々からの多くの優秀な応募者が限られた席を争っているので、最初は奨学金を受けとれるかどうか自信がありませんでした。 しかし、最終的に合格することができました。

NAISTは生活費、特に光熱費を含めた寮の家賃が安いことも魅力でした。1万円で寮に滞在できる大学は他には知りません。それにキャンパスには徒歩5分で着きます。

現在の研究内容と研究生活

私は物性情報物理学研究室に魅力を感じています。この研究室では、このテーマについて深く理解することができると期待しています。私は常に指導教授とコミュニケーションをとり、研究テーマを提案してもらっています。現在取り組んでいる、電子状態の解析は私にとって新しいことですが、この分野に学び、追究することは大きなチャンスであり、チャレンジであると実感しています。入学最初はうまく切り抜けられるか心配でしたが、みんなに支えられています。

私はムスリムでNAISTではマイノリティです。私たちは日中にキャンパス内で最低3回(必須)、1回20分程度の礼拝をします。物質領域は研究棟の1階にお祈りのできる瞑想室を設けてくれています。しかし実験などに忙しいときには研究室から1階のフロアに降りてお祈りをする時間を確保できないことがあります。そこで、事務室に研究室のフロアにある女性用ロッカールームを臨時の部屋として使えないかと相談をしました。事務室は、研究室のメンバーなどと調整をしてくれて、最近になって利用できるようになりました。このフロアにはムスリムが3人いて、それぞれが自分のカーペットを持参して利用できるようになりました。指導教授は、私がムスリムであることを考慮し、ミーティングの時間が礼拝の時間に重ならないように設定するなどして、私がミーティングと礼拝への参加の2つをきちんと実行できるようにしてくれています。とてもありがたいことです。

日本語で円滑なコミュニケーションをとるのは難しいことがあります。研究室のメンバーにはたいてい英語でコミュニケーションを図り、表現がわからないときはオンライン翻訳機で根気よく翻訳しています。幸いなことに、私の指導教授は常に英語を使ってコミュニケーションをとり、グループディスカッションの際は都度日本語から英語へ翻訳してくれます。そのため、この障害は無意味なものになっています。

NAIST研究環境の課題

食堂などでハラルフードを手に入れることができないので、自分で料理をしてランチとして持参したり、facebookからハラルフードのお店のデリバリーを頼んで他の学生と一緒に食べることもあります。将来的には、NAISTがハラルフードを提供できるようになることを願っています。

奈良は住むには戦略的な場所であり、忙しい街ではないので、勉強に集中することができます。遊びたいと思ったら、奈良は京都と大阪という2つの大都市に挟まれているので、休みの日などに簡単に訪れることができます。

NAISTは、あらゆる教育的・文化的背景を持つ留学生に、最高のアクセスを提供します。出発から滞在中の管理まで、CISSには本当にお世話になりっぱなしですし、ボランティア活動やお祭りなど、日本文化を深く知るための活動も充実しています。女性用トイレのナプキンはとても便利で、研究室での活動中に生理が来たときにとても助かりました。

ここでは、同じインドネシア人同士、より親密な関係を築くことができますが、他の国の学生とも良い関係を築くことができます。日本人学生は私たちにとても親切にしてくれますが、時にはお互いに恥ずかしがることもあります。でも、全体的には親切でフレンドリーです。

(令和5年3月)

interview content

  • 2023.3 更新

    物質創成科学領域
    Materials Science
    Nimatil Mabarroh
    Nimatil Mabarroh

    Japanese

    English

  • 2023.3 更新

    バイオサイエンス領域

    Biological Science

    花井 悠真

    Yuma Hanai

    Japanese

    English

  • 2023.3 更新

    情報科学領域

    Information Science

    大羽 未悠

    Miyu Ohba

    Japanese

    English