インドネシアオフィス6周年記念シンポジウムを開催 (2021/08/07)
本学は、2016年4月に初の海外教育連携拠点であるインドネシアオフィスをIPB大学(於:西ジャワ州ボゴール市)の同窓会館に開設しました。同オフィスは海外協定校や本学同窓生との学術交流の推進や学生募集活動展開の拠点として、東南アジアでの本学のプレゼンスを高めるために重要な役割を果たしています。
オフィス開設6年目を迎え、8月7日にオンラインで記念シンポジウムを開催しました。開会にあたって塩﨑一裕学長は、オフィスの円滑な運営において多大な協力を得ているインドネシアNAIST同窓会(INAA)への謝辞を述べ、本年4月に発表した「学長ビジョン2030」の目標の一つである「国内外の大学や研究機関との共創による教育研究の高度化」の実現を目指して、インドネシアの8つの協定校との教育研究連携の更なる強化を通した科学技術の未来の共創を呼びかけました。続いて、IPB大学のArif Satria学長は、インドネシアオフィスは8つの協定校と本学の間の戦略的パートナーシップ強化を促進する機能を担っていると述べ、社会課題の解決に向けた研究コンソーシアム設立を提案しました。来賓としてお迎えした在インドネシア日本国大使館の高橋佑輔一等書記官は、インドネシアの大学が進める国際化に向けたイニシアティブに日本が積極的に関わる用意があること、そして本学がインドネシアの学生・研究者にとって日本へのゲートウェーとなることへの期待を述べました。
本シンポジウムの目的は、本学とインドネシアの間で顕著な進展を見せている教育研究連携強化への取り組みについて本学教員より発表し、学内はもとよりインドネシアの協定校と共有することでした。情報科学分野からはまず、Sakriani Sakti特任准教授が「音声言語処理に関する日・インドネシアの研究協力」について発表し、続いて中村哲教授が「NAISTデータ駆動型サイエンス創造センターの活動」を紹介しました。バイオサイエンス分野からは高木博史教授、加藤順也教授および笹井紀明准教授が、「人材循環のハブとなる国際協働事業展開プロジェクト」(教育推進機構 教育連携部門が実施)等の支援を受けて実施しているインドネシアの大学(IPB、インドネシア大学、ガジャマダ大学)との国際共同研究と人材ネットワークの強化に向けたそれぞれの取り組みを紹介しました。また物質創成科学分野からは山田美穂子助教が、同じく「人材循環のハブとなる国際協働事業展開プロジェクト」の支援を受けて実施中のインドネシアの若手研究者との国際共同研究を、当該研究に関わる両国の研究者を紹介しながら説明しました。これらの発表を通して、長年に亘る学生・教員の相互交流の結果、本学教員とインドネシアの研究者の間で強固な人的ネットワークを基盤とした共同研究が進展し、更には若手研究者間の間でも新たなネットワークの構築が図られていることを示すことができました。
続いて日本学術振興会(JSPS)バンコク研究連絡センターの土井智香子 国際協力員はJSPSが助成する各種プログラムの紹介を行い、インドネシアの研究者からの応募を呼びかけました。
シンポジウムにはインドネシアの本学同窓生、インドネシア協定校の学生・教員を中心に約150名の参加があり、本学とインドネシアの強い繋がりを感じることができました。
シンポジウムに続いて、オンライン開催したインドネシアNAIST同窓会(INAA)総会では、8つの協定校で活躍する本学同窓生がそれぞれの大学における同窓生の近況・研究動向を発表しました。同窓会にも約100名の参加を得ることができ、半日に及んだ両行事は大盛況に終わりました。
インドネシアオフィス6周年記念シンポジウムでの両大学学長挨拶
(写真左:塩﨑学長 写真右:Arif Satria IPB学長)
インドネシア6周年記念シンポジウムの様子
INAA同窓会総会の様子
本学の歩みを説明する太田理事・副学長
Sakriani Sakti特任准教授によるプレゼンテーション
データ駆動型サイエンス創造センターを紹介する中村哲教授
IPB及びインドネシア大学との共同研究を紹介する高木博史教授
ガジャマダ大学との共同研究を紹介する加藤順也教授
IPBとの共同研究を紹介する笹井紀明准教授
共同研究プロジェクトのメンバーを紹介する山田美穂子助教