令和5年度、奈良先端科学技術大学院大学に入学されました皆様、誠におめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます。

 皆様がこれから学びの場とされる、ここ奈良先端科学技術大学院大学は、創造的かつ国際的な学術研究の新たな展開の拠点「関西文化学術研究都市」に立地する、世界に広く認知された教育・研究機関として、最先端の教育研究そして新産業創出の中枢としての役割を担っておられます。

 2018年には、全学を単一の先端科学技術研究科に統合することにより、相異なる専門分野を結集して、SDGsなど世界的な諸課題に挑戦するイノベーションと人材創出の基盤を整えられ、2030年を見据え「先端科学技術で未来を共創する大学」を目指しておられます。
 その一方で、2021年には地域共創推進室を設置され、地元自治体や金融機関との連携強化に努めておられます。奈良県とも、学術・文化・地域社会の発展と人材育成に寄与することを目的として、昨年6月に包括連携協定を締結していただきました。
 既に、本県が近い将来に設置を予定しております県立工科大学につきましても、構想段階から、塩崎学長はじめ多くの先生方から、ご指導・ご助言を賜っております。
 これからも貴学がお持ちの高い研究力と、本県の様々な地域課題に係る情報やフィールド等を相互に活用し、地域の発展に向け、ともに手を携えてまいりたいと思います。

 今後、IoTやAIが人々の生活にさらに浸透し、今までにない新たな価値が生み出される社会の実現に向け、本大学院大学で学ばれる皆様が担われる役割は、ますます重要になってまいります。様々な分野の最新科学技術を研究され、各分野の専門性はもとより、広い視野や柔軟な発想、統合性、創造性を持つ人材、そして将来の科学技術の発展を支え、貢献される人材となられることを心より期待しております。

 この使命に応えるべく、皆様にはこの素晴らしい環境のもと、持てる力を存分に発揮され、互いに切磋琢磨しながら研究活動に精励いただきたいと思います。

 結びに、本日の佳き門出を改めてお祝い申し上げますとともに、ご列席の皆様方のますますのご健勝とご活躍を祈念申し上げ、奈良県からのお祝いの言葉といたします。

令和5年4月5日
奈良県知事