ただいまご紹介いただきました生駒市長の小紫雅史です。
 皆様、本日はご入学誠におめでとうございます。

 奈良先端科学技術大学院大学は、創設以来、優れた研究者が国内外から集まり、世界トップレベルの科学技術研究を追求され、様々な研究成果をあげ、全国でも有数の大学院大学として発展しています。
 入学生の皆様におかれては、様々な国や地域から優秀な方々が集まる環境に身を置き、研究に専念し、素晴らしい業績をあげられるよう充実した生活を送ってください。

 さて、本日は、皆様に奈良先端大での学びにおいて大切にしていただきたい3つの共創についてお話しします。

 1つ目は、国を超えた共創です。世界では、一国や一企業では解決できない感染症、食糧問題、気候変動など様々な課題が存在しています。大学は世界中から人々や知識が集まり、そのような課題を解決する研究シーズを産み出すことができる組織です。皆様におかれては、その環境を活かして、世界的な課題の解決につながる研究に取り組んでいただきたいと思います。
 また、当市も多文化共生を目指したまちづくりに注力しており、交流イベント等を開催しています。そのようなイベントにも積極的にご参加いただき、異なる経験や価値観をもつ多様なバックグラウンドの方々とともに、新たな知見を見出す共創を大切にしていただきたいと思います。

 2つ目は、領域を超えた共創です。奈良先端大では、皆様の興味や意欲に応じて3つの学問領域にそれらの融合プログラムの「データサイエンス」、「デジタルグリーンイノベーション」の教育プログラムを学べます。また、大学では、3つの領域の研究者と参画する企業・自治体等がお互いの強みを生かしながら共創するため、NAISTグリーンエコノミーコンソーシアムを設立され、学生向けプログラムを実施するなど、領域を超えた取組があります。奈良先端大だからこそできる、このような学際的な学びの機会がありますので、ご自身の専門領域以外にもチャレンジしてください。

 3つ目は、地域との共創です。当市は、奈良先端大と包括連携協定を締結し、地域社会の発展とともにSDGsの達成に向け、連携を推進することとしています。また、昨年度設立された「奈良先端大 防災・減災コンソーシアム」は情報通信技術を活用した産官学金連携による災害の備えを推進するもので、当市も参画し防災・減災活動に連携して取り組んでいます。そのほかにも、奈良先端大の皆様とも協力し、多様な文化を通して、国籍や世代を問わず、誰もが気軽に触れ合える参加型の国際交流イベント「いこま国際Friendshipフェスタ」を開催しています。
 この生駒市というフィールドは皆様に開かれています。ご自身の研究内容を実践し、地域課題の解決を必要とする現場で活かせることがありましたら、市役所に連絡してください。地域課題の現場やそこで活動する職員・市民・事業者などを皆様に紹介しますので、積極的に地域へ活躍の場を広げていただきますようお願いします。

 最後になりますが、生駒市役所では、皆様とそのご家族が、毎日の生活を豊かに幸せにするためのさまざまなお手伝いをしています。日本語以外の言語を話す職員もおりますので、皆様の日常生活などで困り事があれば、市役所に直接ご連絡いただくか、あるいは、大学のスタッフの方を通じて是非遠慮なくご連絡ください。本市では、外国にルーツを持つ親子を対象に、入学前の小学校説明会・体験会などいろいろなイベントを開催しておりますので、是非参加や企画もお待ちしています。

 結びに、皆様が奈良先端大で過ごす期間がすばらしい実りあるものになるように、心からお祈りを申し上げまして、私からのご挨拶といたします。
 本日は本当におめでとうございます。

2024年4月5日
生駒市長 小紫 雅史